Anker PowerPort Atom Ⅲ 63W Slimのレビュー【デスク上や裏に設置して快適に充電】
家のデスクで数台のスマホの充電を素早く行うために、Anker(アンカー)の急速充電器のPowerPort Atom Ⅲ 63W Slimを購入しました。
実際にデスク裏に貼り付けてみた際の使用感や、USB-PDでの急速充電についてなどをまとめてみます。
PowerPort Atom Ⅲ 63W Slimの詳細
- サイズ:約88×86×18(mm)
- 重量:本体157g、コード84g(約1.5m)
- ポート数:USB-C✕2、USB-A✕2の合計4ポート
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出力:USB-Cポート最大45W+最大18W(併用時は30W+18W)
USB-Aポート合計最大15W(1ポート最大12W)
トータル最大出力63W - 独自技術:Power IQ 3.0(Gen2)
PowerPort Atom Ⅲ 63W Slimは、サイズ的にとてもコンパクトで薄くて非常に軽量なのにUSB-CとUSB-Aを合わせて4ポートあるのが使いやすいポイントです。
また、USB-C端子でのUSB-PD充電によって最大45Wの出力が可能です。(これは中央側の1ポートのみ使用の場合であり、USB-Cを2ポート同時に使用すると30W+18Wです)
ちなみに各USB-Aポートの最大出力は12Wで、2ポート同時では15Wを2端末に分配します。
4ポートすべてに端末を繋げるとUSB-C(30W+18W)+USB-A(2ポートで15W)となり、合計すると最大出力が63Wになるという計算です。
さらに詳細はAnkerの公式ホームページを参照されてください。
USB-PDって何?
USB-PDとはUSB-Power Deliveryの略で、USB Type-Cポートでの出力でのみ可能な急速充電の規格です。
最大100Wという、通常(5V-1A)の約20倍もの電力供給が可能なのが特徴です。PowerPort Atom Ⅲ 63W Slimでは45Wまで出力できます。
USB-PDでの急速充電を行うには端末もケーブルも対応している必要があります。USB-PDについてより詳しくは次の記事で解説しています。
外観
ポートはこんな具合にUSB-Cが2つとUSB-Aが2つ並んでいます。非常にコンパクトでギリギリ4つを並べたという具合ですね。
これと似たモデルにPowerPort Atom Ⅲ Slim(Four Ports)があり、そちらはUSB-Cポートが1つ、USB-Aポートが3つになっています。(USB-C:最大45W、USB-A:最大12W)
ただ、USB-PDでの急速充電はUSB-Cポートでしかできないため、個人的にはUSB-Cポートが2つあるPowerPort Atom Ⅲ 63W Slimがおすすめです。
裏側のACケーブルの接続部分はこういう具合ですね。光の加減で見えにくくてすみません。
個人的には充電器から直接アダプターが出ていると、他の差込口を塞いでしまうことが多く、あまり好きではなかったので、このタイプはGoodですね。
まあ、直接挿せるタイプも延長コードをつければ済む話ではありますが。
裏面に製品の詳細な情報が記載されています。
また、卓上においてもしっかり安定するように裏面の四隅にゴム足が取り付けられています。
付属品
付属品は本体と、ACケーブル(約1.5m)と説明書、そして強力な3M製両面テープが入っていました。
本体よりもケーブルのほうが大きさを感じるほどにコンパクトな作りになっているのがわかると思います。
メリット
薄くて軽い
本体重量を実際に測ってみると157gでとても軽いです。外形は9cmくらいで薄さも2cm以下なので、卓上に置いていても邪魔にならないです。
GaN(窒化ガリウム)を採用することで、これまでのシリコン(Si)を使った充電器より、はるかに軽量な設計が可能になったということです。
ちなみに本体+ACケーブルをあわせた重量は約240gで、このまま持ち歩いても苦にならないくらいに軽くてコンパクトな設計になっています。
Anker製品という安心感
最近は急速充電は当たり前になってきていて、よくわからない中華製の充電器も多数出回っています。
その中でAnkerという老舗メーカーの安心感は強いです。Ankerの正規取扱店で購入すれば通常18ヶ月の製品保証が付きます。Amazonでの購入も対象です。
さらにAnkerの会員登録をすると6ヶ月の保証延長となります。詳細はAnker公式ホームページを参照ください。
ちなみに私はいくつものAnker製品に触れてきましたが、大きなトラブルや不良品に当たることはなかったです。
特に充電電圧、電流が上がってきている現状では信頼できるメーカーの商品を購入するのは大切です。
Anker独自の技術としてPowerIQというのが多くの充電器やモバイルバッテリーに搭載されています。
この技術はUSB-PDや、QualcommのQuick Chargeという急速充電技術に対応し、それぞれの端末に合わせてベストな充電方式を取るというものです。
PowerIQ3.0が「Gen2」になることで、USB-PDのパワールールにしっかりと準拠したものになったようです。
この詳細はAnkerの公式マガジンの「よりスマートな生活を実現するPowerIQ 3.0」でまとめられています。
USB-Cポート2つUSB-A2つがちょうど良い
本機と似ているAnker PowerPort Atom Ⅲ Slim(Four Ports)の場合はUSB-Cポートが1つしかなく、USB-PDでの充電は1端末のみ可能です。
「PowerPort Atom Ⅲ 63W Slim」ではUSB-Cポートが2つあるため、2系統同時にUSB-PDでの急速充電可能です。
このように急速充電を利用できる端末が増えることに加え、合計4端末も同時に充電可能なのは大きなメリットです。
スマホやタブレットの充電に最適
2つのUSB-Cポートを両方同時に使った場合、45W+18W(合計最大63W)ではなく、30W+18W(合計最大48W)に制限されてしまいます。
とはいえ、スマホやタブレットの充電がメインであれば20W〜30W前後の出力ができれば十分なため、それらの端末を複数持っているならAtom Ⅲ 63W Slimは使いやすいモデルです。
例えば、Macbook Air(30W)とスマホ(18W)を急速充電しつつ、ワイヤレスイヤホンやBluetoothスピーカーなどを同時に接続できます。
実際にAQUOS Sense 4で試してみると、しっかり急速充電を行うことができ付属の急速充電器と同等の速度で充電されました。
iPhoneやiPadの急速充電も可能
ちなみにiPhoneも「8」以降は急速充電に対応しており、USB-C to ライトニングケーブルを使って18W程度で充電できます。
さらに、iPadの充電も余裕でこなせます。私のiPad第6世代は急速充電に対応していない(約12W)ですが、急速充電に対応したiPadでは最大約30Wで充電できるようです。
調べてみると、iPad Pro12.9 第2世代とiPad Pro10.5は18W、それより新しいiPad ProとiPad Airが30WでのUSB-PD充電に対応しているとのこと。
最大45W出力はMacbookにも対応
PowerPort Atom Ⅲ 63W Slimでは、USB-C端子を1つだけ使用した場合に最大45Wで給電可能です。
この出力があればMacbook Airの2016年モデル以降を約2時間で充電することも可能です。(Airの充電器は純正で30W)
また、商品説明にもありますがMacbookで最も充電電力が必要な16インチPro(純正96W)や13インチPro(純正60W)も一応充電は可能です。
ただし、低速での充電になってしまうため、Macbook Pro等の大電力を必要な端末の急速充電用としては不十分です。
デメリット
値段が高め
今回Amazonで購入しましたが、5,000円以上で決して安くないです。(価格変動あり)他社でもっと出力の大きなモデルが出ていたりもします。
この辺りはAnker製という安心感を買っているという部分もあります。Anker製品は基本的に保証期間が1年半〜2年ついています。
またデザイン的に薄型軽量でありながら4ポートも使えるという点がこのモデルの売りです。高出力モデルはポート数が2つくらいなことが多いです。
100Wクラスの端末は急速充電できない
繰り返しにはなりますが、このモデルは最高出力が45Wなので、急速充電に100Wクラスの電力が必要な端末には向いていません。
どちらかというとスマホやタブレットや、PCでは省電力なMacbook Airなどを中心に充電する、という使い方が向いています。
USB-PD対応の大容量なバッテリーを積むPCをメインで充電される場合には60〜100Wに対応するモデルを選ぶ方が良いです。
持ち運びにはちょっと不向き
恐らくPowerPort Atom Ⅲ 63W Slimのコンセプト的には卓上に据え置いて、スマホやタブレット、ワイヤレスイヤホンなどを一気に充電できるというのが売りのモデルです。
そのためACケーブルが別で付属しており、基本的には持ち運びにはあまり向いていないと言えます。私はテーブルの裏に貼り付けてしまったので持ち運ぶのは実質不可能です。
それでも、製品が軽量でコンパクトなので、ケーブルを束ねて持っていくこともできなくはないです。
良く持ち出されるならモバイルバッテリー機能付きで直接コンセントに挿せるUSB充電器「Anker PowerCore Fusion 5000」もなかなか便利でした。
追加でケーブルを購入する必要がある
もともと「USB-C to USB-Cケーブル」や「USB-C to ライトニングケーブル」をお持ちであれば問題ないですが、USB-PDでの高速充電を行いたい場合はこれらのケーブルが必須です。
しかも、対応ワット数がしっかりしているケーブルを使ってください。粗悪なケーブルでは発火の恐れもあります。
おすすめのケーブル
USB-PDでの急速充電を行うなら、余裕を見て60W対応くらいのケーブルを使うのが無難です。
60〜100Wに対応するケーブルを持っておけば、さらに高出力な他の充電器でも使えます。USB-C to USB-CケーブルもAnker製がおすすめですね。
iPhoneの場合は純正のUSB-C to ライトニングケーブルで急速充電が可能です。そしてもちろんAnkerからも出ています。
ライトニングケーブルは「MFi認証済み」のモデルでないとOSのアップデートなどで充電できなくなるリスクがあるのでしっかり確認しましょう。
100均でもUSB-PD対応ケーブルがある
100均であれば「セリア」で購入できるUSB-PD対応、最大60W(20V 3.0A)約70cmのUSB-C to USB-Cケーブルが比較的安心です。
110円でもUSB-PD対応ケーブルを発見 |
実際に使ってみるとしっかり急速充電ができましたが、110円なので耐久性が今後の検証ポイントになりそうです。最近はバリエーションが増えています。
実際にデスク裏に貼り付けて使ってみた
PowerPort Atom Ⅲ 63W Slimは、デスク上に置いて使ってもスリムでコンパクトなので邪魔になりませんが、軽量であることを生かしてデスク裏に貼り付けて使うこともできます。
付属の両面テープは超強力
親切にも3M製の超強力両面テープが付属しています。これを使って机の裏面に固定していきたいと思います。
背面に付属の両面テープを載せてみています。両面テープのサイズは大きくないのですが、十分に強力です。
というかこのサイズの両面テープで固定できるほどにPowerPort Atom Ⅲ 63W Slimが軽量に作られているということでしょう。
こんな具合に実際にテーブル下に付属の両面テープで貼り付けてみました。デスクをシンプルにしたい、という願いで購入したAtom Ⅲ 63W Slimがしっかりデスク裏に張り付いています。
本体が軽量ということもありますが、付属の3M製の両面テープはとにかく強力で、貼り付けたら全く落ちる気配はありません。
ケーブルをサクサク抜き差ししたり、ぶらんと垂れ下がらせていても何ともないです。ただ、剥がすときに机の塗装も一緒に逝きそうですね…。
【結果】とてもシンプルにまとまる
PowerPort Atom Ⅲ 63W Slimをデスク裏に貼り付けてみた結果、目標通りデスクはとてもスッキリしました。
テレワークも増えている中で快適に仕事をこなすのにも役立ち、日常的にもケーブルがごちゃごちゃしなくなるのは気持ちが良いです。
また、手を伸ばすと取れる位置にケーブルが来るのでサッと持ってすぐに充電できます。1秒でも早く充電させたい時に役立ちますね。
ちょっとした問題
デスク裏に貼り付けた際に発生した問題点は、USB-Cポートの45W対応側と18W対応側がとても見づらくなることです。
PowerPort Atom Ⅲ 63W SlimのUSB-Cポートはどちらも45W対応ではなく、内側が45W、外側が18W対応のポートになっているということを覚えておく必要があります。
対策としては、挿すケーブルの色を変えたり、テープなどで見分けられるようにしておくと良いと思います。私も白と黒のケーブルですぐにわかるようにしました。
もしくは、テーブルの手前側に取り付ければ問題ないかと思います。私は妻の指摘もあり、とにかく邪魔にならないように奥に追いやりました…。
追記:机の材質によっては両面テープが弱い
その後しばらく机の裏側に取り付けていたのですが、我が家の木製の机では強力な3Mの両面テープでもケーブル等の重さに耐えきれず、落下しました。
対策として両面テープを増量して、壁側に取り付けてみます。
両面テープを3倍以上に増量 |
以前にホームセンターで買ってあった万能両面テープをほぼ全面に貼りました。
この状態で壁面に貼り付けてみるとかなりしっかり張り付きますね。
壁面だと比較的落ちにくい |
取り付ける面によると思いますが、電源用と充電用のケーブルの重量も多少かかってくるので、付属の両面テープ1枚では厳しい場合があります。
何度か机から剥がれて落下してゴンゴンいっていたので、しっかり固定するのは安全だと思います。テーブルなどに取り付けられる場合には参考にされてください。
まとめ
4ポートのUSB-PD対応の軽量薄型充電器「PowerPort Atom Ⅲ 63W Slim」はデスクまわりをスマートにしてくれる優れたアイテムです。
単体重量は160gほどでデスク上や裏面などで使いやすく、USB-C×2+USB-A×2でUSB PDにも対応しています。
スマホやタブレットの充電であれば4台同時でも全く問題ないスペックなので、たくさんのガジェットを持っておられる方にもぴったりです。
「USB-A×3+USB-C×1」のバージョン
このほかにPowerPort Atom Ⅲ 65W(USB-A×3&USB-C×1)というバージョンもあり、若干値段が安いです。
こちらは1つになったUSB-C端子が常に45W出力可能なのが強みで、USB-A端子側は3ポートで合計20W出力なのが弱点です。