mpioスタイラスペンのレビュー【Apple Pencilの代用品として十分な性能】
Apple Pencilがちょっと高いなと感じて安くて使えるスタイラスペンはないものか…はい、ありました。価格は3,000円程度からです。
しかも、いろいろなブランドから同じような商品が大量にあります。果たして使い物になるのか。「結構使えますよ」というレビューを信じて半信半疑で購入。
ということで「mpio」という中国メーカーのApple Pencil互換品 「mpioスタイラスペン」を入手したので書き味や性能をレビューしていきます。
mpioのスタイラスペンの詳細
外観や持った印象
私が今回手に入れたApple Pencilの互換品は、mpioペンは第3世代で、ペンの形状が丸く、傾き検知機能付きです。
他のレビュー記事を見てみてもmpioペン(第3世代)のモデルは丸くてApple Pencil(第1世代)と似ています。
手に持った感じもとても持ちやすく、軽いという印象です。完全に丸い形状なので机に置くと転がってしまうこともたまにあります。
ペン先
ペン先もApple Pencilと似ている形状で、左回りに回すと簡単に取り外しできます。素材はPOM製で直径1.0mmです。
ちなみに替え芯もしっかり売られています。替え芯は2つセットで約7〜800円くらいで、ちょっと高いですね。
充電方式
充電は本体の上サイドにあるUSB-Cポートに挿して行います。Apple Pencil(第2世代)のようにiPadにくっつけて無線充電はできません。
充電中はランプが赤く光ります |
mpioペンのちょっと良いところは、充電していても書けるところです。もちろん充電コードが邪魔になりますが、荒業として可能です。
純正のApple Pencilでは充電しながら書くことはできません。
最新の中華製スタイラスペンはApple Pencil(第2世代)を模倣
mpioペンは第4世代となっており、デザインがほぼApple Pencil(第2世代)となりました。
Amazonの商品説明より |
mpioペン第4世代では一部が平らになってマグネットでiPadにつくようになっています。(ワイヤレス充電はできません)それ以外の機能は第3世代と変わらないです。
たくさんあるApple Pencil互換ペンについて
このようなタイプのスタイラスペンは色々なメーカーで出ていて、ほとんど中身は同じなのでしょう。
最新のものはどれもApple Pencil(第2世代)のように一面が平らになり、マグネットでつくようになっています。
レビューが多いメーカーは「JAMJAKE」や「KINGONE」などです。形状から箱に至るまでほぼ一緒で、充電はUSB−Cです。
これより古いバージョンでは充電がMicro-USBのものも出回っていて、ペン先がボールペンのような形状のものが多いです。
mpioペンのメリット
値段が安い
純正のApple Pencilは1万〜1万5千円ほどします。ところがこの代用品は3,000円程度から売られています。
約4分の1の価格で手に入るというのは驚きです。正直、個人的には無印iPadが3万円台で買えるのにペンに1万円も出すのはどうかな、と思ってしまい中華の互換品を買ったわけです。
しっかり機能するのであればこの金額はありがたいですね。
描き心地は良くて遅延もない
ほかのメーカーのApple Pencil互換品も書き心地は純正とほとんど変わらないというレビューがほとんどです。
ほんとうなのかと疑問でしたが、私が購入したmpioのスタイラスペンも書き心地も全く問題なく、遅延もないです。
特に純正のメモ帳アプリは完璧に追従してくれます。相当細かな文字も書くことができるので「これで十分だな」と感じてしまいました。
ペアリング不要
このタイプのスタイラスはBluetoothによるペアリングの必要がありません。そのため、複数台のiPadをペアリングなしで次々と利用できます。
ペンの上を軽くタッチするだけで電源が入り、ランプが青く光ります。これだけですぐに使えるので手軽です。
純正のApple Pencilでは各iPadごとにペアリングが必要ですので、この点では純正以上の手軽さがあります。
ちなみにApple Pencilを使われていた場合、Bluetooth接続を切っておかないとmpioペンを使うことができません。
iPadの世代を選ばない
純正のApple Pencilは第1世代と第2世代で使える端末が決まっており、互換性がありません。
しかし、mpio製その他のiPad用スタイラスペンはどちらの世代のiPadであっても関係なく、ペアリング無しで書けてしまいます。
2018年以降発売のiPadにのみ対応という制限はありますが、この汎用性の高さもなかなかのメリットです。
純正Apple Pencil側に疑問が湧く
なんだか純正のApple Pencilの方には全く互換性が無いのがおかしい気がしますよね。
だって、旧型のiPadと第1世代のApple Pencilを持っていて、新型のiPad Proに変えた途端に第1世代は使えなくなって、1万5千円の第2世代を買うしか無いという…。
Appleさん、ちょっとねぇ。せめて新型iPadならどっちのApple Pencilでも使えますよ、というようにできなかったのか…商売がお上手です。
パームリジェクション機能もある
手が触れていてもペン先のみ反応してくれる |
これも個人的には驚きの機能ですが、mpioペンを使っている間は手が画面に触れても検知せず、ペンの動きのみを描画してくれます。
安い代替Apple Pencilでは、この機能のない製品もあるのでしっかりチェックしておくべきポイントですね。
傾き検知もしっかり動作
傾きの検知もなぜかちゃんと機能しました。もちろん対応しているアプリのみですが、ここまで機能を盛り込む必要があるのかどうか謎です。
3段階くらいで傾きを検知してラインの太さが変わります。個人的には遅延無しで普通に書ければ十分だよ、という気持ちでしたのでもうお腹いっぱいです。
ロック画面からならメモを起動ができる
これも便利機能ですが、ロック画面からmpioペンでタップすると即メモ帳を開くことができます。
これはインスタントメモ機能が働いているようです。書き込んだあとにロック解除するという順番で操作できます。
ちなみにスリープからの起動→メモ帳はさすがにできません。(これは第2世代 Apple Pencilのみの機能のようです)それでも3,000円でここまでできれば凄いですね。
mpioペンのデメリット
筆圧感知がない
基本的には純正のApple Pencil以外は筆圧感知に対応していません。このタイプのスタイラスペンではおそらくどの中華メーカー品も非対応でしょう。
筆圧感知をつかって絵を書いたりされたい場合には、今のところ純正のApple Pencilを購入するほかなさそうです。
充電方法は有線のみ
mpioペンはApple Pencil(第2世代)のようにiPadにくっつけて充電されるような機能もありません。USB-Cでの充電です。
充電時間は約2時間でフル充電、12時間ほどの連続使用ができるようです。5分後に自動で電源が切れるので節電仕様になっています。
電池切れがわかりづらい
mpioペンはiPadとBluetoothでペアリングしているわけではないため、バッテリー残量の表示はありません。
また、iPadからの充電はできないため、バッテリーが切れた場合には別系統で充電器が必要となります。
一度の充電で約12時間ほどの使用が可能なので、外出前に確実に充電しておけばバッテリー切れの心配はほとんどないです。
2018年以降のiPadでしか動作しない
これもちょっと微妙な注意点なのですが、商品説明にあるように、2018年以降のiPadに対応している商品です。
iPad Pro12.9インチの第1、第2世代(2017年以前に発売モデル)には非対応のようです。実際に試していないので絶対に書けないかどうかは不明ですが、注意ですね。
初期不良などのリスクがある
中華製品ではどうしても生じるのが初期不良です。このmpioペンのレビューを見ていく限りではとても少ないですが、たまーにあるようです。
また、数ヶ月で反応しなくなったというレビューも数パーセントですが見受けられました。
KINGONE製スマホ対応タッチペンと比較
スタイラスペンには大きく分けて2種類あり、iPad専用のモデルとスマホなど多機種に対応したモデルです。(他にもSurface用のペンなどもあります)
mpio製のiPad専用スタイラスペンを購入した後に、KINGONEから出ているAndroidタブレットやスマホにも対応するタッチペンも気になって買ってしまいました。
それではmpio製のiPad専用スタイラスペンと、KINGONE製の多機種対応ペンの違いを解説していきます。
(ちなみにKINGONE製のiPad専用スタイラスペンもあり、混乱を招きがちです)
ケースはほとんど一緒 |
KINGONEの多機種対応タッチペンとmpioのスタイラスペンは送られてきたケースがほぼ一緒でした。
恐らくですが、Apple Pencilに似ている中華製商品のほとんどがこのケースに入っているので、生産している場所もほぼ同じなのでしょう。
対応機種について
まず、大きな違いは対応機種です。KINGONEのスマホ対応タッチペンは互換性が高く、iPadやiPhone、Android端末などにも対応します。
iPad専用スタイラスペンの場合は、ほとんどの商品が2018年以降に発売のApple Pencil対応iPadのみの対応となっています。
そのため、それ以外の端末には全く反応しません。動画にもしてみました。ちなみに使用しているのは純正のメモ帳アプリです。
mpioペンはiPad専用なので、iPad mini3には書けないのがわかると思います。
反応速度や精度の違い
KINGONEのタッチペンは端末にもよりますが、追従性が思った通りというわけではありません。機種によっては指で書いたほうが反応が良い場合もあるほどです。
また、ガラスフィルムなどを貼っているとずれが生じやすいのもKINGONE製スマホ対応タッチペンのデメリットです。
フィルムがあるとかなりズレる場合がある |
AQUOS sense4にてGoogle Keepアプリで、ガラスフィルム有りと無しで書き比べてみましたが、明らかにフィルムがあると書き込む位置がずれてしまいます。
同様にiPhoneやiPadもフィルムの種類によってはズレが出やすい特徴があるようです。iPhone8でもガラスフィルムがあると多少ズレました。
これは静電容量式という普通のタッチ機構を使っているから生じているものと思われます。フィルム無しで使うなら比較的使いやすいです。
フィルムを貼らないでスマホを使われる方は少ないかと思うので、ズレや反応の悪さは大きなデメリットとなるでしょう。
mpioのiPad専用スタイラスペンではApple Pencilと遜色ない反応速度と精度で文字を入力できます。動画で見てもらうと少し伝わるかと思います。
実際にはかなり使用感に違いがあり、iPad専用スタイラスを使うとAppleのメモアプリの線の細さも自動で変わり、より細い線を書くことができます。
パームリジェクション機能の有無
KINGONEスマホタッチペンは静電容量方式が採用されていて、つまり普通のタッチと変わらないのです。
それゆえにパームリジェクション機能という、ペン先以外のタッチを無効にしてくれる機能は付いていません。
iPad専用スタイラスペンの場合にはパームリジェクション機能が搭載されていることがほとんどで、とても使いやすいです。
結論:スマホ対応タッチペンはおすすめできない
ここまでの比較で伝わったかと思いますが、スマホ等の多機種対応のタッチペンはあまりおすすめできないレベルの商品です。
もちろん使われる端末との相性などによっては十分に使える可能性もありますが、私が試した限りではスラスラ文字が書けるという感じでもなく、絵を書くのもストレスでした。
mpioのiPad専用スタイラスペンと比較してしまうとその書き心地の違いは顕著に現れていました。
スマホ用ならダイソーの100均タッチペンが優秀
その後、値段がぜんぜん違うのですが、ダイソーで売られていたディスクタイプのタッチペンと書き味を比較してみました。
2,000円程度する充電式のタッチペンのほうが圧倒的に書き味が良いと信じていたのですが…。
100均のディスクタイプのタッチペンは結構精度が高く、ペン先の中心に線が書かれます。結構ペンを傾けていっても問題ないです。
もちろん電池も使いませんし、すべての機種で利用できます。100均って凄い。
ただ、ペン全体やペン先の質感はKINGONEやmpioのスタイラスペンが明らかに優れていて、替え芯もあるので長く使えます。
逆に100均のディスクの付け根部分に強度に問題がありそうで、そこまで長く持たないであろうと思われます。ただ、100均なので買い換えれば済む話ですね。
まとめ
mpioや他のメーカーの「iPad専用スタイラスペン」は確実に書き味がよく、初期不良に当たらない限りはほとんどストレスなく使えます。
スリープからのインスタントメモ機能やダブルタップでツールを切り替える機能がほしい場合は、Apple Pencil(第2世代)と対応するiPadを購入する方が良いでしょう。
そして「スマホ対応タッチペン」はあまりおすすめできないレベルの商品が多いので注意してください。
iPad専用スタイラスペンのコスパは抜群
純正のApple Pencilの3〜4分の1の価格で入手できるApple Pencil互換品は個人的にかなりコスパの高い商品だと思います。
正直、本格的にiPad(2018年以降モデル)で本格的にイラストを書いたりする方以外はこのタイプの互換品で十分なのではないかと感じました。
黒色のペンもある
その後、マグネットで吸着するタイプの格安iPad専用スタイラスペンのブラックも購入してみました。こちらも使い勝手が良くて描き心地も良好です。
ブラックのスタイラスペンはスペースグレイのiPadに似合います。Apple Pencilでは選べない色なので結構アリですね。
Apple Pencil(第二世代)と同じデザインをしているので、比較的新型のiPad ProやAirの側面に取り付けておけるのが便利です。
iPad Proにクリアケースをつけてその上からでもマグネットで固定されます。もちろん充電はしてくれないので電池が減ったらUSB-C給電が必要です。
Amazonリンクは「JAMJAKE」製のブラックモデルです。
これらのiPad専用スタイラスペンは、おそらくどのメーカーのものを選んでもApple Pencilの代用品として十分に機能してくれます。
ワイヤレス充電対応モデルも出ている
2022年になってUSB-C充電ではなく「ワイヤレス充電」に対応したモデルも登場しています。中華製Apple Pencil互換品もいよいよここまできました。
ただし、ワイヤレス充電に対応(Apple Pencil 第2世代対応)のモデルしか充電できないのでご注意ください。
(iPad Pro 12.9 第3世代以降、iPad Pro 11 第1世代以降、iPad Air 第4世代以降、iPad mini第6世代)
これら以外、つまりApple Pencil(第1世代)対応機種はUSB-C充電対応のモデルを選ぶ必要がありそうです。(両方に対応のモデルも出てきそう)
これらの情報が少しでも参考になると嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございます。