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Samsung SSD 980(500GB)レビュー【NVMe M.2はSATAより実感できるほど速いの?】

自作PCの続きとなります。ガジェット系ブログがどんどんマニアックな方向に向かっているのは何故なのか。

今回はSATA接続からNVMe M.2接続のSSDに換装することで、体感的な速度変化があるのかを検証していきます。

SATAとNVMe M.2接続の違い

もともとはSATA接続のCrucial MX500を使っていました。もちろん動作に不満があるわけではなかったのですが、M.2スロットが余っているのはもったいない。

一応解説ですが、過去の遺産であるHDDは10年以上前に上位互換のSSDへと取って代わりました(まだHDD使われている方には申し訳ありません)。

そのSSDにも「SATA接続」・「SATA接続 M.2」・「NVMe接続 M.2」という3パターンがあります。

単純に動作速度の違いで言えば…

SATA≒SATA M.2<NVMe M.2

という感じで、要するにNVMeでの接続が最速ということです。さらに詳しくはPCIe 3.0か4.0かなどでも変化があります。

注意なのは形状がほぼ同じM.2 SSDでも、SATA接続とNVMe接続によって転送速度が大きく異なるという点です。

転送速度はSATAで最大6Gbps(600MB/s)で、NVMeが最大40Gbps(4000MB/s・PCIe3.0)であり、PCIe4.0では実測7000MB/sを超えてきています。

私のPCではPCIe 3.0接続までが対応であり、コスパ重視で構成しているため、最新最速のNVMe SSDを購入するまでもないかなと。

Samsung SSD 980の詳細

それで購入してみたのはSamsung製のM.2 SSDの「Samsung SSD 980」(500GB)で型番はMZ-V8V500BWというエントリーモデルです。

Samsung SSD 980は2021年3月に発売の比較的新しいNVMe M.2 SSDで、価格が落ちており、7,000円弱で購入できました。

容量は250GB、500GB、1TBの3つから選択できます。1TBモデルの読込速度3500MB/s、書込速度3000MB/sで、PCIe 3.0接続では最速クラスです。

購入した500GBモデルでも読込速度3,100MB/s、書込速度2,600MB/sと十分な性能です。

ちなみに250GBモデルは読込速度2900MB/s、書込速度1300MB/sと500GBモデルよりさらにスペックダウンします。

Samsung SSD 980は、DRAMレス設計でコストカットしつつもHMB(Host Memory Buffer)テクノロジーによる高速動作を可能にしています。

このHMBとは、PCのメインメモリの一部(100MB未満)をDRAMキャッシュとして活用する機能で、これによってアクセス速度が高速化しているらしい。

またSamsung独自の「Inteligent TurboWrite」という技術によって、先代の970 EVOと比較して大幅にキャッシュ容量を増加させてもいます。

とにもかくにも、新製品なので新技術で旧ハイエンドクラスのスペックに劣らない速度を出してくれているということですね。

Crucial MX500との比較

CrucialのSSD MX500(500GB)も数年使っているのでメインのSSDを変更して、M.2 NVMe接続のSSDがどれくらい速いのか、体感できるものなのかをチェックしていきます。

Samsung SSD 980(500GB) Crucial MX500
発売日 2021年3月 2018年1月
インターフェース等 M.2 2280 PCIe 3.0×4 2.5インチ SATA3.0(6Gb/s)
シーケンシャルリード 3,100MB/s 560MB/s
シーケンシャルライト 2,600MB/s 510MB/s
総書き込み容量(TBW) 300TB
金額 7,000円程度 6,500円程度

スペック表だけ見るとシーケンシャルリードとライトで共に6倍もの速度差があります。

ちなみにM.2 NVMeのSSDは容量が大きいほうが書き込み、読み込みの速度が高いことが多いです。

つまり容量も大きくなり、スペックも高くなるのがM.2 NVMe SSDの特徴です。コスパ的に1TBのモデルが最もバランスが良いことが多いです。

今回は予算の都合もあり、500GBのモデルを選びました。ざっくりですが性能的には10~15%程度1TBモデルより劣ります。逆に250GBモデルより20%程度高い性能です。

PCへの取り付け

SSD980の表面

取り付けは難しいことはありません。AsRockのマザーボードのH470では、ヒートシンクを外して取り付ければOK。

ヒートシンク部分

ドライバーでネジ2本を外して、向きを合わせて斜めにはめ込むだけです。

SSDを取り付けた

社外のCPUクーラーが邪魔でしたが、なんとかそのまま取り付けられました。

すぐ下に来ていたグラボは流石に取り外しました。

ヒートシンクを取り付ける

M.2 SSDは取り付けてしまうと元の状態と変わりが無くってしまう(もともとのヒートシンクのため)のが少し寂しい。

SATA接続のSSD、Crucial MX500(500GB)もデータ用ストレージとして残しています。

Crucial MX500も搭載したまま

L字金具での2箇所留めという荒業ですが、それなりにちゃんと固定されています。

このあとSamsung SSD 980にWindows10をインストールしましたが5分程度で完了しました。速い。

ちなみにPCの構成などは次の記事にまとめてあります。もし気が向きましたらご覧になってみてください。

ベンチマークの結果

CrystalDiskMark

まずは王道のベンチマークであるCrystalDiskMarkを走らせます。

Crucial MX500

MX500のCrystalDiskMark

Samsung SSD 980

SSD 980のCrystalDiskMark

ストレージの定番ベンチマークであるCrystalDiskMarkを同条件で試した結果、すべての項目で2~5倍のスコアを叩きだしてくれました。

Crucial MX500は約2年ほど使っているので、若干の劣化もあると思います。それでもSATA接続にしては悪くない数値です。

ベンチマーク中の温度を図ってみても、Crucial MX500で最高50℃程度、Samsung SSD 980で最高55℃程度と、どちらも問題ない範囲でした。

参考までにさらに廉価なシリコンパワー製M.2 NVMe SSD PcIe3.0接続 256GBのストレージ速度も載せておきます。(価格3,000円程度)

シリコンパワー P34A60のベンチマークスコア
シリコンパワー製M.2 SSDの速度

シリコンパワー P34A60 256GBは、同じPcIe3.0接続で容量も小さいモデルですが、特にランダムアクセス性能がSamsung SSD 980の強さが出ていますね。

実際の作業で特に違いが出てくるのがランダムアクセス性能の高さなので、さすがSamsungといったところ。

PCMark10 Storage Test

PCMark10にストレージの実際のアプリ立ち上げ等の速度を数値化してくれるベンチマークも調べてみます。

PCmark10 Full System Driveのスコアはソフトが法人向けのため、AKIBA PC Hotlineさん、マイナビニュースさんの記事を参照しました。

Samsung  SSD 980(500GB):約2300

Crucial MX500(500GB):約850

(参考)
Samsung SSD 980 PRO(1TB):約2800
Crucial P5(1TB):約1850
3.5インチHDD:約200

Storage Testの結果はMX500とSSD980で約2.5倍ほどスコアに差があります。

また、購入を迷ったCrucial P5よりもSamsung 980の方が高いようです。ただし、データを違う場所から引用しているため、参考程度です。

実際の動作について

ここまでベンチマークテストで性能差を図ってきましたが、実際のところの操作速度が実感できるほどに早いのかが気になるところです。

起動速度(Windowsのパスワード入力画面まで)

MX500:約18~20秒

SSD 980:約15~18秒

起動時間はそれほど大きく変わった印象はありません。若干早いかな?というような感覚です。高速スタートアップはON、Fast BootはOFFの状態です。

試しにマザーボードのUEFI設定にてFast BootをONにしてみると15秒以内で起動するようになりました。ただ、頻繁にPCをいじるような場合は面倒になる設定ですね。

シャットダウン

MX500:約5秒

SSD 980:約3秒

起動時間は体感でそこまで早い感じはしませんでしたが、シャットダウンの速さは実感できるレベルで変わったと思います。

SATA接続のMX500では数秒待ってからスン。と落ちる感じでしたが、NVMe接続のSSD 980ではシャットダウンした瞬間、即落ちる感じです。

DaVinci Resolve起動時間

MX500:約30秒

SSD 980:約7秒程度

無料で使える動画編集ソフトです。これはかなり重いプログラムなので、読み込みに時間がかかります。しかし、SamsungのSSD 980では約3分の1の速さで開いてくれます。

その他のソフト

その他、Microsoft Officeなどの起動においても実測での比較は難しいですが、明らかに立ち上がりが早くなりました。

このあたりも読み込みの速さが影響しているのは間違いないですね。プログラムが開いてしまえばその後は大きく速度が変わることはないように感じます。

まとめ

今回、SATA接続のSSDからNVMe M.2のSSDへと交換してみました。結果としてはソフトの起動などで確かに体感できる速度差がありました。

そもそもSATA接続であっても、HDDと比べると圧倒的にSSDの動作が早いので、それ以上速くなっても変わらないだろうと思っていましたが、意外でした。

もちろん、HDDからSSDに変えたときほどの劇的変化とまでは行きませんが、Samsung SSD 980は最近発売されたモデルだけあり、なかなかいいですね。

PCIe 3.0対応のエントリークラスのNVMe M.2 SSDとしてはコストパフォマンスがとても高い製品だと思います。

もちろん最速を目指すならPCIe 4.0対応のSSD 980 PROも良いと思います。まだ値段が高めですが。

ここから先の速度を体感できるかは、また次の課題としたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

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