3XI製 USB−Cハブ 9in1をiPad ProやM1 Macbook Airなどで検証
今回はiPad Pro用に購入した、3XI(読みはサンクシーで良いみたい)という中華製の9in1 USB−Cハブを細かくレビューしてみます。
iPad ProやMacBookにも使いやすい、短めのケーブルが付いているUSB−Cハブです。
実はiPad Pro専用のモデルもあるのですが、ロジクールのCombo Touchというキーボード付カバーを取り付けているため、普通にケーブルが伸びているタイプを選びました。
3XI 9in1 USB−Cハブの概要
9つのポートは以下の通りになっています。
- USB3.0ポート×4(Type A×3 Type C×1)
- 3.5mmオーディオジャック
- HDMI出力端子(4K 30Hz UHDまで対応)
- SD・マイクロSDカードリーダー
- USB−PDポート(最大60W)
このようなタイプのハブは色々な種類が出ていますが3XIの9in1は3.5mmオーディオジャックと、USB−PD用とは別にUSB−Cポート(USB3.0)が搭載されているところです。
このUSB−CハブはM1チップのMacBookやiPad Pro、ChromeBookなどに幅広く対応していて汎用性が高いのも魅力です。
ちなみに「3XI」というブランドは5in1から9in1のUSBハブや、iPad Pro専用のUSBハブをメインに取り扱うメーカーのようです。
他社で扱われている10in1ともなると有線LANポートなどが追加されてきますが、そこまでは個人的には不要かなと思いました。
全体の質感はかなり高い
全体的な質感はかなり高いです。カラーはMacのスペースグレイに寄せている感じでアルミボディは高級感もあります。
各端子の名称のプリントと「3XI」のロゴは主張控えめで良いですね。全体のデザインにかなり凝っているのがわかります。
さらに、裏面は全く何もプリントされていません。かなり潔くシンプルにまとめてある印象です。
サイズは小型で持ち運びにも良い
サイズは実測で115×34×12(mm)くらいでかなり小型です。重さは約83gと軽量で、持ち運びにも全く苦になりません。
サイズ感としてはiPhone SE第一世代を縦に半分に切ったくらいの大きさですね。(わかりにくくて申し訳ありません)
ケーブル長約14cmとなっていて、必要十分でありつつ長すぎない良い具合の長さです。
ケーブルはそれなりの太さと硬さがあり、あまり折り曲げたくない感じですね。
USB−C端子の部分も本体と同様のアルミ素材とアルマイト処理が施されていて、細かな点も抜かりは無いです。
iPad Pro 11インチに取り付けると、しっかりボディが着地して安定感があります。取り付けるとUSB−C端子の間のインジケーターがブルーに光るのも絶妙です。
MacBookやその他のノートPCに取り付けても、ケーブルのおかげで程よく逃がせるので扱いやすいでしょう。
値段は格安
これだけの機能と質感の製品がAmazonでは約3,500円くらいで購入できます。
このタイプで9in1のUSB−Cハブとなるとそもそも種類が少ないのですが、3XI製品はかなり格安ですね。クーポンなどがあると3,000円ちょっとで買えたりします。
3XI 9in1ハブの特徴
USB3.0が4ポートそのうち1つはUSB−C
まず、USB−C端子が通信用で付いているのは珍しいです。2つあるUSB−C端子のうち1番端にあるUSB−CがPD(60W入力)に対応しており、こちらは通信はできません。
そしてその隣のUSB−C端子が通信可能になっています。ただし、速度は他のUSB−Aと同じくUSB3.0(5Gbps)です。
実際に速度を測ってみても、速度の低下はほぼありませんでした。しっかりとUSB3.0の速度までは出せています。
ポータブルSSDを自作するとちょっとだけコスパの良い大容量の外付けストレージが完成しますので、こちらもご参照ください。
USB–PDで充電を行いつつ作業すると結構熱くなる
PDで充電しながら使用しているとハブ全体が結構熱くなりますが、それで不具合が出たことは無いです。全体がアルミ製なので結構耐えてくれると思います。
説明書には充電器には「純正品」を使うのをおすすめされていますが、最大60W対応ということでしっかりした充電器を用いれば問題ないでしょう。
ちなみにHDMI出力などをしていると、汎用品の12W程度の充電器では本体にほとんど充電されません。最低でも18Wクラスの充電器を用いる必要があるようです。
また、このハブのために数ワットの電力が使われるため、端末の充電は若干遅くなります。
HDMIの出力について
HDMIポートは最大4K、30Hzでの動画を映すことが可能とのこと。とりあえず我が家の4Kディスプレイ(格安)で試してみることに。
iPad Pro(2018)では2Kまでの出力になると記載されていますが、そんなに高くないように感じるのはもともとのiPadの画質が良すぎるからでしょうか。
画面の比率もiPadは3:2で、多くのディスプレイが16:9だったりするので違和感もあります。
それでも、Amazonプライムビデオなどは全画面再生が可能だったりとアプリによって仕様が異なるようです。
映像出力時はUSB−PDで充電しながらのほうが安定する気がしますが、給電しないでもiPad Proからはしっかり映像が出ていました。
※追記(2022年3月23日)
その後M1 MacBook Airで試していると4Kの出力ができず、FHD(1920×1080)60Hzまでで止まってしまうことを確認しました。
私の機器の相性の問題なのかは不明ですが、同一条件でAnkerのハブを使うと4K出力がされたので、このハブの性能の可能性が高いです。
この件を3XIのサポートに問い合わせてみたところ、明確に返答がありました。(細かな状況や画像による説明を何度が繰り返しました)
私の環境で3XIのハブでは4K出力ができないことを認めてくれた上で、製品の問題(相性など)か、個体の不良の可能性があるとのことでした。
生産している工場に確認をとって、交換か返金の対応を取ってくれることになりました。
もしかすると商品の説明文も変わる可能性があるとのことです。なかなか誠実に対応してくださいました。
イヤホンジャックも地味に便利
最近ではBluetoothの完全ワイヤレスイヤホンが流行っているので、イヤホンジャックはあまり必要ないように感じますが、そうでもありません。
ワイヤレスイヤホンはどうしても音ズレが発生しがちなので、動画視聴やオンラインミーティングなどでは有線のイヤホンが良いという場合もあります。
実際にマイク付きイヤホンを使ってみると、当たり前ですがしっかりと音が出て同時にZoomミーティングではマイクも使えました。
ちなみにAppleの純正イヤホンではマイクは動作しないようです。しかし、なぜかうちに転がっていたメーカー不明の安いイヤホンは問題無かったです。
有線イヤホンのメリットは、充電を気にしなくていいこと、音ズレはほぼ無く音質が良いこと、マイクもしっかり音を拾うことなどで、まだ消えることは無いでしょう。
SDカードとマイクロSDカードもそのまま使える
SDカードスロットもあると便利です。しかも通常サイズ(デジカメなど)とマイクロサイズ(スマホなど)の両方が搭載されています。
PCでは問題ないのですが、iPadで読み取れる規格はFAT系に限られているようで、NTFS形式ではみることができません。
SDカードの対応最大容量は512GB、書き込み速度は最大104Mbpsとなっています。
地味な注意点
USB端子が若干きつい
これは個体差なのかもしれませんが、USB3.0端子がどれもきつめで結構しっかりと固定されます。
抜けなくなるほどではありませんが、何度か抜き差しを繰り返せばマシになるかな?という感じです。ゆるゆるよりは良いですかね。
延長ケーブルには要注意
ケーブル長は約14cmほどあるので、ほとんどの場合にケーブルを延長する必要はないと思いますが、必要が生じてしまうこともあります。
その際に、USB–Cの延長ケーブルならなんでもOKということにはならない点にご注意ください。
具体的にはUSB–Cケーブルだとしても、ほぼ充電用で通信速度はUSB2.0(480Mbps)ということも多くあります。これではほとんどの端子が機能しなくなると言ってもいいです。
もしもUSB–Cの延長ケーブルを追加する場合には最低でもUSB3.0規格以上、もしくはUSB3.2 Gen2、Thunderbolt3に対応するケーブルや変換アダプターを選ぶ必要があります。
まとめ「3XI 9in1ハブ」は高機能だが…
トータルでは3XI USB-C ハブ 9in1はなかなか高機能な製品で、デザインやケーブル長さもバランスよく美しいのでMacやiPadにも似合います。
ただ、我が家のM1 MacBookではHDMI出力が4Kで出すことができなかった点は懸念材料です。
新しい3XIの9in1USB-Cハブ(PD 85W対応)は4K出力ができているレビューも見られますので改善された可能性もあります。
HDMI出力を4Kに確実に対応させるなら、名の通ったメーカーのものを選ぶのが安心かもしれません。
私も結局Anker製の3in1USB-Cハブも買い足しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。