ZALMAN Z3 Iceberg ブラックのレビュー【ARGBファン付きで安いミドルタワーPCケース】
自作PCの今回はケースを交換してみたのでレビューします。自作PCはコスパが悪いといわれることが多いし、面倒だし、保証もほとんど効かないし人気がないですね。
しかも全然売れ筋ではない、ZALMANというメーカーのZ3 Iceberg ブラックバージョン(ドスパラ限定)ケースのレビューです。
E-ATX(一般的な規格上一番大きいサイズ)マザーボードまで入るミドルタワーケース。
まだレビューがほとんどないので試しに購入してみました。NZXT H510辺りがATX対応ケースでは売れ筋で無難ですが、このケースもなかなかいいです。
ZALMAN Z3 Icebergの詳細
特徴
ZALMANというメーカーは1999年に創業の韓国メーカーで、比較的安価なPCケースやCPUクーラーなどを提供しています。
Z3 Icebergはデザイン性が高く、側面は強化ガラスパネルを採用しており、ホワイトはAmazonなどでも購入可能ですが、ブラックはドスパラ限定モデルとなっています。
Icebergのイメージは氷河(直訳では氷山)で、フロントに斜めに立体的な造形と2か所に空洞があり、アドレサブルRGB LEDのライティングが漏れるのがオシャレです。
ARGBファンは前面と背面に一つづつ搭載されていて、マザーボードで設定しなくても専用コントローラーで制御でき、本体上部のLEDスイッチを押すたびに変わります。
スペック詳細
- サイズ:幅210×高さ480×長さ410(mm)
- 重量:約6.4㎏
- 材質:本体スチール、サイドパネル強化ガラス、フロントパネルプラスチック
- 対応マザーボード:E-ATX、ATX、microATX、mini-ITX
- 対応グラフィックボード長さ:最大315mm
- 対応電源:ATX電源・最大210mm
- 対応CPUクーラー高さ:最大163mm
- 対応ラジエータ:上面240mmまで、前面360mmまで、背面120mm
- 搭載可能ファン:上面140・120mm×2、前面140・120mm×3、背面120mm×1、底面120mm×2
- 付属ファン:120mmアドレサブルRGBファン×2
パーツの組み込み
電源の取り付け
電源は本体下部に取り付けられます。上下どちらの方向に取り付けても良いようにネジ穴があけてあります。裏面には取り外し可能なダストフィルターが付属しています。
ライティング可能な電源なら上向きにして、電源上部に付属している2.5インチベイを2つ取り外すとしっかり発光をアピールできます。
電源上部のスペースには120mmファンを2つ取り付けることもできるようになっています。前面には120mmファン×3か、140mmファン×2です。
マザーボードの組み込み
マザーボードは最大で幅280mmまでのE-ATXまで取り付け可能です。今回は通常のATXサイズのマザーボードを取り付け。
上部にもそれなりのスペースがあり、CPU電源やCPUファン用コネクタなどの取り付けも比較的容易でした。
CPUクーラーは最大高さ163mmとなっていて、虎徹 MarkⅡは高さ154mmで1cm程度の余裕がある具合です。
取り付けたグラフィックボードはMSIのGTX1060 AEROですが、対応最大サイズは横幅315mmとなっています。
配線処理
裏配線スペースはそれなりにあります。専用のファンコントローラーとその配線がもともとされています。
裏面には2.5インチベイが2つと、電源横にスロット式の3.5インチベイ、その上にさらに2.5インチか3.5インチのストレージを搭載可能です。
3.5インチHDDをスロットに取り付けることができ、取り外しもしやすい設計です。今回は裏面に2.5インチSSDを搭載しています。
ちなみにパーツ類が全体的に古いですが、以前のメーカー製PCを改造していった記事で利用したパーツたちを移植しています。
Goodポイント
デザインが凝っている
好みの分かれるポイントかもしれませんが、フロントパネルのデザインが凝っています。素材はプラスチックですが、表面の塗装と加工が程よい艶消しとなっています。
それにより上質な雰囲気を漂わせ、斜めに入ったスリットとライティングを加えると絶妙にオシャレに見えます。
最近のPCケースは前面はシンプルでほとんど装飾のないものが多いです。特に人気のNZXT H510はモデルにもよりますが、非常にシンプルな設計になっています。
ZALMAN Z3 Icebergはその点でフロントパネルのデザインがかなり凝っていて、ここに惹かれるかどうかがすべてと言っても良いかもしれません。
また、側面が約4mmの強化ガラスパネルで、若干のスモークがかかっているのも良い具合です。ファンのライティングが絶妙に映えますね。
拡張性も十分
ドライブベイは2.5インチ用が4つ、2.5と3.5インチ兼用が2つと合計6つのドライブが搭載可能です。
3.5インチベイの一つは引き出し可能なタイプで取り付け、取り外しもしやすい仕様になっているのもポイントです。
I/OポートもUSB3.0が2つ、USB2.0が1つとマイク、ヘッドホン端子があり少なすぎない具合になっているのもポイントですね。
左が前面で、順番に電源ボタン、リセットボタン、USB3.0が2つ、ヘッドホン端子、マイク端子、LED制御ボタンです。
裏配線もしやすくて組み立てやすい
サイズ的には大きすぎないですが、しっかりと裏配線スペースも設けられています。左右のパネルは後ろにある手回しのビスを2本ずつ緩めると外れます。
CPU裏にも大きく穴が開いているので、バックパネルの装着などもケースに固定してから行えます。(最近は大体そうですが)
アドレサブルRGBファン2つと専用のコントローラーは最初から取り付けられていて、配線もまとめられているのが親切です。
I/Oポート用の端子は電源、リセットボタンはよくある分離型なので取り付けが厄介ではありますが、表面に配線を出せる穴がいくつも開いていて取り回しもしやすいです。
強化ガラスサイドパネルとARGBファン付きなのに安価
Z3 Icebergは実売価格が8,000円程度とATX対応ケースとしては比較的安価な製品です。それでも側面は4mmのガラスパネルで作りもしっかりとしています。
さらにはRGBファン×2とコントローラーが付属していて、マザーボードに制御用の端子が無くてもケースのスイッチでライティングをコントロールできます。
120mmのアドレサブルRGB LEDファンとコントローラーのセット付属で8,000円程度というのは結構安い価格設定だと思います。
ARGBファン1つでも1,000円くらいはしますし、LED制御用コントローラーも付いてきてお得感があります。
専用コントローラーによる発光は同色常時点灯、同色クルクル点灯、1秒間隔くらいの点滅、レインボーで回転、各色に変わっていく点灯の5パターンでトータル26種類です。
ケース付属の専用コントローラーは単品でも販売されています。
実際はもう少し鮮やかできれいな発色です |
カラーとしては7色+レインボーの合計8色で、コントローラーの一括管理となっているので、一つずつカラーを変更したり細かな色調整はできません。
付属ファンはアドレサブルRGB用の一般的な3ピンコネクタなので、マザーボードにあるARGB用の3ピン端子と接続は可能なはずです。
また、回転数制御は3ピンなので電圧制御であり、私のH87マザーボードで電圧による回転制御で800rpmくらいまで下げれば比較的静音です。
気になるところ
通気性は良いけど静音性は低め
Z3 Icebergは前面か上面にラジエターやファンを取り付けられるようになっていて、冷却効率はかなり高いと感じます。
代わりに前面と上面はフィルター越しでほぼ解放されているくらいの通気性の良さなので、音も漏れがちです。
ケースとしては静音性が高い方ではないです。どちらかと言えばしっかりと冷やせるように設計されたケース、まさにIcebergですね(そういう意味かはわかりませんが)。
高さが結構ある
ATXマザーボードまで対応しているおかげもあり、ケースの高さは約480mmと結構あります。
若干縦長の設計になっているのですが、これも好みが分かれるポイントかもしれません。
個人的にはATXマザーボードに対応してくれているのは今後の拡張性のためにも良いと感じるので、ケース自体の高さは致し方ないかなと感じますね。
もしmicroATXマザーボードを使っていくなら、DeepⅽoolのMACUBE 110というケースがおすすめです。
レビューはしていませんでしたが、一時期使っていたケースです。実売5,000円程度でこちらも側面ガラスパネルでワンタッチで脱着が可能です。
Deepcool MACUBE 110 ミニタワーPCケース マグネット式強化ガラス(Amazonリンク)
背面の拡張スロットカバーが外したら終わりのタイプ
ちょっと残念だったのが、背面の拡張スロットが一度外すともうねじ止めできない仕様になっている点です。
一応2スロット分のねじ式固定具も用意されているので、その分は後から埋めることは可能ですが、できれば全スロットねじ式にしてほしかったところです。
付属のファンが3ピンでPWA制御はできない
ケースに付属のファンは基本的にはあまり期待できないというのが一般的ですが、Z3 IcebergはアドレサブルRGBファンですが、回転制御は3ピンになっています。
3ピンでも電圧制御で大まかに回転をコントロールできる場合もありますが、マザーボードによっては1000rpm以上で回る場合もあります。
4ピンのPWM制御ファンに交換しても良いのですが、せっかくのRGBファンなのでそのまま使いたいものです。
ということで、3ピンでも回転数を好きに制御できるアナログなファンコントローラーを追加で購入してみました。
ペリフェラル電源に接続して、2ピンのオス端子に3ピンメス端子を合わせるようになっています。ファンを3つまで接続できるので、アナログ制御でいいなら結構ありですね。
結果的にはファンの回転数の確認が出来なくなるのですが、それなりに静音化できたので個人的には満足でした。
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付属のファンはPWM制御ができないので他に良いファンがあるかなと調べてみました。
その後、ARGBファンをいろいろ購入してみた結果、Thermalright TL-S12が綺麗なライティングでした。
端子は回転制御用のPWM4ピンとARGB5V3ピン、それぞれが数珠つなぎできるような仕様です。ファンの質感やデザインも良くてシック。
ファン回転数も500rpm程度まで落ちた(多少の個体差あり)ので静音性もとても高いです。ただし風量はあまり期待できない点は注意です。
まとめ
Zalman Z3 Iceberg ATX ミッドタワー(Amazonリンク)
一応ブラックもAmazonで探すと出てくるのですが、かなりぼったくり価格になっていることがほとんどです。
ブラックだけはドスパラ限定で7,000円~8,000円くらいで購入できます。私もドスパラで購入しましたが、なぜ専売になっているのかがわかりませんね。
ZALMAN Z3 Iceberg Black ドスパラ限定モデル(ドスパラの商品ページへのリンク)
ホワイトモデルはAmazon等でも購入可能なので、Icebergという氷河イメージで白モデルの方が映えるデザインかなとは思いますね。
ZALMAN Z3 IcebergはATX対応かつ、側面ガラスパネルでARGBファン2つとコントローラー付きで8,000円くらいと比較的コスパも高くておすすめできます。
自作PCは初期費用が高めですが、ケースや電源は流用できたりするのでトータルのコストは抑えられる場合もあります。
BTOやメーカー製PCのコスパはとても高いですが、カスタマイズの楽しさなども自作PCの良さだと感じますね。
ケース選びも楽しいです。少しでも参考になりましたら幸いです。