LG 27QN600-BAJPのレビュー【WQHDディスプレイはコスパが高い】
これまでDEED DC-M2804Kという謎の28インチ4Kモニターを使ってきましたが、作業用モニターとして色再現度の高いモニターを探していました。
そこでいろいろ探した結果、27インチクラスでは4Kよりコスパが高いといわれるWQHD解像度のLG 27QN600-BAJPを購入しました。
製品のレビューに加えて、4Kモニターとの比較や27インチの作業用モニターとしてWQHD解像度が優れている点も取り上げます。
LG 27QN600-BAJPのスペックなど
- 画面サイズ:27インチ
- 本体サイズ:614×364×45(スタンド無し)614×484×209(スタンド有り)
- 重量:4.8kg(スタンド無し)5.7kg(スタンド有り)
- パネルタイプ:IPS、ノングレア(非光沢)
- 視野角:178°
- コントラスト比:1000:1
- 色域:sRGB 99%
- リフレッシュレート:75Hz
- アスペクト比:16:9
- 解像度:2560×1440(WQHD)
- 表示色:約1,677万色
- 輝度:350cd/㎡
- 応答速度:5ms(GtoG)
- 入出力端子:HDMIポート×2、DisplayPort×1、ヘッドホン出力×1
- スピーカー:無し
- 機能:HDR10、HDCP2.2、フリッカーセーフ、ブルーライト軽減機能、色覚調整モード、Super Resolution+、AMD FleeSync、DASモード
- 消費電力:最大40W、スリープ時0.5W以下
- 付属品:電源コード、ACアダプター(1.5m)、HDMIケーブル(1.5m)、DPケーブル(1.5m)
- VESA規格:100×100mm
搭載されている機能など
LG 27QN600-BAJPには映像コンテンツやゲーム用途に合わせたさまざまな機能が盛り込まれています。
HDR(ハイダイナミックレンジ)はこれまでのSDRでは表現できなかった細かな色も描写できます。
AMD FreeSync テクノロジーも搭載し、対応したグラフィックカードとの組み合わせによってゲーム時のフレームレートを同期させて滑らかな映像を実現してくれます。
そのほかにもDASモードによって遅延を最小限に抑えたり、ブラックスタビライザーによって暗い部分の視認性を向上させたりできます。
さらにSuper Resolution+により、低解像度の映像もくっきりと綺麗に見せてくれます。ただ、これらのモードは自動的にONになるようで、設定項目には出てきません。
LG専用のソフトウェア
LGのOnScreen Controlは画面輝度やコントラスト、ディスプレイモードをソフト上でコントロールできるのでまあまあ便利です。
ディスプレイ下についているジョイスティック的なものを使うのは結構難しいので、ソフトでいじれるのは良いです。
さらに、このソフトをつかって、ゲーム時や動画視聴時のアプリごとにディスプレイモードの設定が可能です。
LG 27QN600の利点
搭載されているパネルが良い
搭載されているのは解像度2560×1440というWQHDの27インチ非光沢IPSパネルです。視野角はIPSなだけあり十分に広いです。
色域も十分で「sRGBカバー率99%&工場出荷時点でキャリブレーション済み」という保証書も同封されていました。
リフレッシュレートは75Hzと、通常の60Hzモニターよりも若干早く、気持ち滑らかに動いてくれると感じます。
また、フリッカーセーフ(フリー)機能によってフリッカー(ちらつき)を抑えて眼精疲労を軽減してくれます。
全体的に十分なスペックを備えてくれていて、安心して使えるモニターという感じですね。
ベゼルレスデザインが良い
3辺のベゼルと非表示幅は8mm程度 |
最近のモニターはかなりベゼルが狭くなっていてスタイリッシュです。LG 27QN600も、左右と上側のベゼルと非表示部分を合わせても8mm程度しかありません。
下のベゼルは少し太めだけど気にならないレベル |
下側のベゼルはちょっと広めで約2cmありますが、LGのロゴも控えめで全体的にマットなブラックで統一されていて良いですね。
コスパが高い
解像度がWQHD(2560×1440)で色域と視野角が広いIPSパネルを使いつつ、いろいろな用途で使える機能が満載なのに、約30,000円程度という価格です。
機能としては映画などで威力を発揮するHDRはもちろん、ゲーム向きのFleeSyncというフレームレートを同期させる技術などなどが盛り込まれています。
主要なモニター部分、機能面で十分なスペックを備えつつ、それ以外のところでコストカットしているのが好印象です。
デメリット
スタンドが微妙
LG 27QN600に付属のスタンドの使い勝手が良くないです。高さは床からモニター下端までが約12cmとなっていて、チルト機能(前 5°・後 15°)はあります。
高さ調整ができないことに加えて、デザインもちょっと微妙なので、できればモニターアームを使うのが良いと思います。
モニターの高さはデスクや椅子などによってベストなポジションが異なるため、個人的には高さの調整はマストと思っています。
VESA規格(100×100mm)に対応しているので、大概のモニターアームは付きます。格安モニターアームをレビューしているので参考にされてください。
スピーカーは非搭載
多くのモニターに、おまけ程度でもスピーカーが搭載されていることが多いですが、LG 27QN600にはスピーカーは非搭載です。
そのため、外部スピーカーやノートPCを接続している場合にはそこから音を出す必要があります。
ただ、おもちゃみたいな音質のスピーカーだと、結局追加で買い足したりすることになるので、コストカットで割り切ってくれている方が良い気もしますね。
入出力端子が最低限
入力端子はHDMI×2とDisplayPort×1のみです。シンプルで必要十分ではあるのですが、USB-C端子に対応していないのは寂しいです。
もちろん、この価格帯(3万円程度)でUSB-PD対応の映像入力端子があるなんてことはほぼありえないのでここは割り切るポイントではあります。
WQHD(2560×1440)について詳しく
LG 27QN600で採用されているWQHDとは、フルHD(1920×1080)の約1.8倍の画素数である2560×1440の解像度ということで、2Kとか2.5Kとか呼ばれています。
私も調べている中で行き着いた解像度ですが、最近結構多くの機種が登場しています。WQHDまたはQHDという表記のこともあります。
WQHDとフルHDの違い
WQHD(2560×1440)とフルHD(1920×1080)のモニターでの作業範囲がどれくらい変わるのかをスクリーンショットでみてみましょう。
フルHD(100%)での表示領域 |
一般的なフルHD(100%)での表示領域はそれほど作業領域が広いわけではなく27インチでは文字が大きいです。では次にWQHD(100%)の表示。
WQHD(100%)での表示領域 |
これがWQHDで100%の表示領域を見ると大きく差が出ます。画素密度の差と同じく約1.8倍くらいの情報量になり、27インチならちょうど良い文字サイズです。
とはいえ、両方とも100%での表示なので、画質差は無くてよく見るとどちらもドットがわかるくらいです。
WQHDと4Kとの違い
フルHDとWQHDでは明らかに作業領域がアップしました。では4K(3840×2160)との比較ではどうなるでしょうか。
4Kで27インチのディスプレイを100%のスケーリングで使うと、ほぼ文字は読めなくなるくらいに小さくなります。
4Kで100%表示をすると非常に文字が細かくなる |
結果的には150%くらいにスケーリングして使うことになりますが、ちょうど4Kを150%に拡大すると、画面表示領域はWQHDの100%と同じになります。
4Kで150%スケーリングはWQHDと同じ表示領域 |
4K(3840×2160)を150%にスケーリングした結果、表示領域は同じなのですが画素密度が高い4Kの方が文字がクッキリ見えるようになります。
実際に4K、28インチのディスプレイと並べてみると、確かに映像や文字の滑らかさが異なります。
左が4K 150%スケーリング、右がWQHD 100% |
実際に真横に2枚のディスプレイを並べてみましたが、近づくとわかるレベルです。(直に写真を撮っているので網目状のもやが写っていますが実際には見えていません)
比べてみると左の4Kの方が確かに文字の輪郭がシャープで綺麗です。
正直、WQHD(2560×1440)を4K(3840×2160)やMacBookの画面などと比べると画質は落ちます。
これは間違いなく落ちるので、iPhoneやMacBook並みの滑らかさを求めるなら最低4K。という感じです。
WQHDは作業用では必要十分な解像度
WQHDは4Kと比べると確実に解像度は落ちるので、文字の滑らかさや映像の美しさは4Kディスプレイに敵いません。
しかし、27インチでWQHDというのは事務作業やテキスト入力などの作業用ディスプレイとしてはかなり優秀です。
文字サイズ的に十分読むことができ、フルHDの2倍近くの情報を並べることができます。
WQHDモニターは4Kモニターよりも価格が安くて画質も十分なので、作業用モニターとしてはかなりコスパが高いわけです。
具体的には4Kモニターでは最低4万円以上はかかるところが、WQHDでは3万円程度から手に入ります。
もちろん4Kでもパネルの品質を落とせば安いものがあったりしますが、DELLやhp、LGなどのメーカーの信頼できる売れ筋モデルはそれなりに高めです。
ちなみに2万円台の4Kディスプレイのレビュー記事もあります。液晶がTNで発色がちょっと悪い点などが弱点なモデルですが、安いですね。
もちろん予算が許せば有名メーカーの4Kモニターを購入するのが良いですが、27インチならばWQHDという解像度は結構アリな選択肢だと感じました。
文字を見やすくする方法(Windows)
文字の表示がちょっと見ずらい場合は「ClearTypeテキストチューナー」を使ってテキストを読みやすく設定するといいです。(Windowsの機能で10でも11でも可能)
Windowsの検索ボックスにClearTypeと打ち込むと「ClearType テキストの調整」という候補が出るのであとは指示に従って読みやすい方を選んでいくだけです。
・フォントを見直すのも効果あり(Windows)
Google Chromeを使われているなら、設定の「デザイン」「フォント」をカスタマイズから、好みのフォントに設定すると、結構いい感じになります。
ちなみにおすすめはNoto Sans JPというフォントで、Google Fontsから「Noto Sans Japanese」をダウンロードして追加できます。人気のフォントですね。
机の幅によっては24インチモデルもあり
23.8インチのLG 24QP500 |
27インチもそれなりに大きいので画面までの距離は最低80cmくらいは欲しいです。
それより近くなる場合には24インチ以内が良いでしょう。大体机の奥行が60cm以上無いと27インチは大きすぎるイメージです。
私のデスクもちょっと奥行が足りなかったので、23.8インチのLG 24QP500-B(Amazon限定モデル)を購入して入れ替えました。
LG 27QN600をそのままスケールダウンしたWQHDモニターで、写真を撮っても全く変わり映えしないくらい同じデザインでした。
23.8インチでWQHDの100%倍率だとかなり文字は小さく、125%にするとちょうど良い具合の読みやすさになりました。
125%表示でもフルHDよりも若干ですが表示領域は広がって文字は綺麗になります。
LG 27QN600のまとめ
約3万円でWQHD解像度、そしてIPSパネルで視野角も十分でありつつ色域も広い。さらにゲーム用途にも対応できるさまざまな機能付き。
スタンドの調整機能があんまりだったり、最低限の入出力端子やスピーカーが非搭載というあたりでコストカットをしてくれています。
ディスプレイとしての機能は必要十分なのでコストパフォーマンスはかなり高めなWQHDモニターと言えそうですね。