iClever ワイヤレスマウス MD172のレビュー【MX Master 3Sと徹底比較】
今回iCleverさんからの提供ではないワイヤレスマウス「MD172」を徹底レビューします。
デザインがロジクールのMX Master 3と非常に似ていたので気になって買ってしまいました。
案件でも全くない自腹購入なので、忖度なしでガッツリMX Master 3Sと比較してみます。
iClever MD172の特徴
- サイズは大きめで重め
- 見た目はMX Master 3(極めて似ている)
- 機能もまあまあな7ボタン搭載
- クリックは静音仕様
スペック
- 接続:3端末マルチペアリング機能 2.4GHzワイヤレス・Bluetooth 3.0・5.0
- ボタン:7つ 左右クリック・ホイールボタン・進む・戻る・DPI変更・接続切り替えスイッチ
- 対応OS:Windows、Mac、iPad OS、iOS、Android、ChromeOS
- バッテリー:USB-C充電
- サイズ 重量:125×84×51mm 119g
- DPI:5段階 800/1200/1600/2000/2400
- カラー:ブラックのみ
付属品
マウス本体・USBレシーバー・取扱説明書・USB-A to USB-Cケーブル(充電用)というシンプルな構成です。
iClever MD172の良いところ
安い
iCleverさんの製品はどれも価格が抑え気味なのが助かります。
このMD172もAmazonで3,000円程度と、MX Master 3Sの5分の1くらいです。
デザインだけで言えばコスパはかなり高く感じます。
静音仕様
左右クリックは静音仕様になっているのも良いですね。クリックすると「コツコツ」と静かで落ち着いた音が鳴ります。
ボタン数は7つで、ほかのボタンは静音ではないものの比較的静かです。
機能は十分
トータル7ボタンで「進む/戻る」やミドルクリック、DPI変更などの基本的な機能は搭載されています。
金属製のスクロールホイールは、ほとんどクリック感の無い仕様です。ほんの少しの抵抗がある独特な感触です。
ただ、MX Master 3のようなフリー回転や滑らかな転がりはありません。
手に馴染むデザイン
形がMX Master 3と偶然にもほぼ一致しているため、エルゴノミクスデザインとなっています。
若干左クリック側の傾きが少なくて水平に近いですが、十分手にフィットするので長時間の使用でも疲れにくいです。
マルチペアリング機能搭載
3端末に同時接続可能なのも利点です。USBレシーバーで1台とBluetoothで2台の合計3台接続です。
背面にUSBレシーバーを格納できる |
USBレシーバーはもちろん、Bluetoothでの接続も安定しています。
WindowsとMacに接続してみましたが、問題なく動作しました。Macでも「進む/戻る」ボタンがChromeでは普通に使えました。
Bluetoothの接続方法は接続切り替えボタンで1か2の状態にして長押しするとペアリングモードになります。ちなみにしっかり技適マークもあります。
充電方式はUSB-Cで2~3時間の充電で30日以上の使用が可能と言っていますが今後検証予定です。
iClever MD172のデメリット
ボタンカスタマイズはできない
7ボタンあるのですが、機能割り当ての変更などはできません。
マウスで様々なショートカットを割り当てておられる方には不向きな製品です。
逆に、スタンダードな機能だけで十分なら満足できるでしょう。
戻る/進むボタンが若干手前の上側に配置されていますが、親指の腹で軽く押せるのでそこまでの違和感は無いです。
作りがちょっと安っぽい
3,000円程度の値段なので高級感は高望みしすぎですが、ボディ全体がプラスチック製でちょっとチープ。
でもスクロールホイールはアルミでできていたり意外と頑張っているんですよね。
サイズは結構大きい
MX Master 3と同じサイズ感なので、大き目なマウスです。男性じゃないと大きすぎると感じるかもしれません。
マウスの重量も120gほどあるので結構重め。DPIは高めに設定して、マウスの移動距離を減らした方が疲れないですね。
かぶせ持ちスタイルなら、この大きさと重さのおかげで繊細な調整も得意です。
MX Master 3Sとの比較
後ろ姿がそっくり |
私の行いたかったメインの検証です。堂々とロジクールMX Master 3のデザインを踏襲してくれているので、しっかり比較しましょう。
もしかしたら一番似ているのは先代のMX Master 2Sなのかもしれませんが…
参考:フリー素材よりMX Master 2S |
iClever MD172の発売日(2021年3月)から考えると現行のMX Master 3が一番近そうで、私が持っているのが3Sなのであしからず。
以下、iClever MD172とロジクール MX Master 3Sのスペックを並べてみました。サイズはデザイン同様、相当近いです。
MD172 | MX Master 3S | |
---|---|---|
サイズ(mm) | 125×84×51 | 124.9×84.3×51 |
重量 | 119g | 141g |
ボタン数 | 7つ(変更不可) | 7つ+サムホイール |
DPI | 800~2400(5段階) | 200~8000(50刻み) |
接続台数 | 3台 | 3台 |
ソフトウェア | なし | Logi Options+ |
料金 | 約3,000円 | 約15,000円 |
MD172がMX Master 3Sよりも優れている点
まさか値段差5倍のマウスの方が優れたところがあるわけないですよね…。実はちょっとだけあります。
端末切り替えスイッチがサイドにある
MX Master 3はマルチペアリングの切り替えボタンが背面にあります。おそらく誤操作を嫌っての配置だと思います。
MD172は切り替えボタンが左サイドの一番奥にあって手軽に切り替えられます。
私の場合は誤って押してしまうことはない位置にあると感じます。
このスムーズな端末切り替えが欲しい場合には結構おすすめなモデルと言えます。
全体がプラスチック製
個人的にMX Master 3の表面処理があまり好きではないです。グリップ感はありますが、長時間触っていると熱がこもる感じです。
また、表面のシリコン素材が経年劣化でボロボロになってくるのもイマイチ。
MX Masterシリーズは、本体より表面の素材がダメになって買い替える方が多いのではないでしょうか。
iClever MD172は全体がプラスチック製で表面はサラサラです。高級感はないのですが(恐らく)劣化しにくくて、触り心地がひんやりなのが好き。
これは個人的に良いなと思えたポイントですね。真逆のご意見もあると思います。
安い
MD172は、ここまで取り上げたように十分な性能を持っている割に、約3,000円と安価なので個人的には結構おすすめできるマウスです。
MD172がMX Master 3Sより劣る点
価格差がありすぎるので、劣っていて当然なのですがここまで似せてるのでハッキリさせましょう。
全体的な質感
繰り返しですが、MD172は全体的に高級感はないです。MX Master 3は外観の時点で高そうなので、ここはハッキリ差別化できています。
金属パーツの質感は抜群に良く、絶妙に主張する2つのホイール。
また、MXシリーズの高速スクロールができるMagSpeedホイールの操作感も格別ですね。
横スクロールホイール(サムホイール)が無い
MX Master 3の特徴は横スクロール用のサムホイールが付いている点です。ここまで模倣したらさすがにロジクールも怒っていたかもしれません。
横スクロールは使いやすい場合があり、サムホイールのためにMX Masterを選ぶ方もいるでしょう。
ただ、横スクロールはほとんどの場合ショートカットを使って代用できたりします。(Shift+スクロールなど)
ボタンカスタマイズができない
ロジクールマウスの強みは専用ソフトでボタンカスタマイズができる点です。ほぼすべてのボタンを好みの操作に割り当てられます。
また、Logicoolの独自技術のLogicool FlowやLogi Voltレシーバーでの複数接続などはロジクールの強みですね。
iCleverのMD172には専用のソフトはなく、デフォルトの仕様で使う必要があるのが弱点です。
トラッキング性能が低い
MX Master 3Sはレーザー式センサーで最大8000DPIという圧倒的なトラッキング性能。
MD172は光学式センサーで最大2400DPIと大きな差があります。マウスカーソルの追従性はMX Master 3Sの方が良いと感じました。レビュー記事もあります。
まとめ
MX Master シリーズにデザインを寄せているのでしっかり比較してみました。確かに劣る部分も多いですが、これで3,000円ならかなり安くてコスパが高いです。
静音ボタンにマルチペアリングのしやすさ、スタンダードなボタン設定に手に馴染むデザイン。
MX Master 3Sの5分の1くらいの金額でしっかり使えて、機能もまあまあ踏襲しているのはさすが…ですね。
ロジクールの独自技術などは不要で、大きめのマウスが合う方ならかなりのおすすめモデルです。
また、一緒に使うキーボードとして同じくマルチペアリングが可能なE-win製 多機能ワイヤレスモデルがおすすめです。
iCleverはしっかり技適を取っていて、MD172 マルチペアリングワイヤレスマウスはコストパフォーマンスに優れる、隠れた優良商品ですね。