Windows 11はシステム要件の最低構成でどこまで動く?【Celeron G4930T RAM4GB HDD】
Windows 11のシステム最小構成でどれくらい動くのかをDELLのデスクトップでテストしました。
おそらく最安構成となるIntel第8世代Celeronを使って検証しています。
Windows 11のシステム要件
Windows 11のシステム要件(Microsoft公式)を参照します。
- CPU:1GHz以上で動作する複数コア搭載モデル(※Intelでは第8世代以降、AMDでは第2世代以降のCPU)
- RAM:4GB以上(メモリ)
- ストレージ:64GB以上
ざっとこのようなシステム要件が挙げられるのですが、最も安価に構成するならIntel第8世代のCPUを使ったPCとなります。
自作で一から組むとどうしても出費はかさみますし、OSだけでも15,000円くらいします。ノートPCも中古なら安いですが、あまりおすすめできないです。
そこで、メーカー製PCの登場となります。今回「DELL Optiplex 5070」をBTO先輩が沖縄まで機材を送ってくださりました。感謝感謝です。
今回の構成
- 筐体:Dell Optiplex 5070
- CPU:Intel Celeron G4930T
- メモリ:4GB
- ストレージ:HDD 750GB(中古 Hitachi製)
今回搭載したCPUは第8世代CeleronのT付きモデルです。(動作周波数3.0GHz、TDP35Wの省電力版)
もっと低い性能で試すならノートPC用となりますが、細かく調整を加えられるのでデスクトップPCを使ってテストします。
RAMは最低要件の4GBに減らし、ストレージは中古の2.5インチHDDを利用してWindows10から11へアップデートを行いました。
ちなみに第8世代IntelのCeleronとその1つ上位のPentiumは番号の振り方が結構難しいです。
Core iシリーズではわかりやすく8000番台=第8世代ですが、CeleronとPentiumはなぜかズレています。
・Intel第8世代Celeron/Pentium
Celeron | デスクトップ版 | G4000番台(G4950等は第9世代) |
---|---|---|
ノートPC版 | N4000番台 | |
Pentium | デスクトップ版 | G5000番台(G5420等は第9世代) |
ノートPC版 | N5000番台 |
第8世代Intelのデスクトップ版はCoffee Lake、ノートPC版はGemini Lakeと呼ばれてもいますが、覚えなくて大丈夫です。
末尾にTやSといった表記がある場合がありますが、Tは低消費電力、Sは性能と消費電力のバランス型となっています。
Windows 11への道
HDDを利用したこともあり、インストールまでに軽く1時間以上を要しました。
公式サイト(https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11)からインストールでしたが、圧倒的に時間がかかります。
ただ、SSDであればこの10分の1くらいのペースで終了するので、SATA SSDでもいいのでシステムドライブはSSDが絶対。と私は思っています。
今時HDDっていうのも少ないですけどね。ただし中古ではまだまだあるのです。
最低スペックでのWindows 11の動作
Windowsアップデートもすべて終了するまでに30分以上は経過しました。
実際に使っていくためにGoogleChromeなどをインストールします。
メモリ4GBはダメ
Windows 11の最低要件4GBメモリは正直使えるレベルでは無いです。(ストレージがHDDであるのも影響していると思います)
タスクマネージャーのリソースモニターを見てみると、Chromeのタブを5つ開いたくらいでメモリ使用は限界に達していました。
Chromeタブ5つでメモリの「使用中」は2.7GBで、パフォーマンスの欄ではメモリ使用率は70~80%程度です。
しかし「コミット済み」の使用容量が3.9GBとなっていて若干物理メモリの上限(3.8GB)を上回って実際にはストレージ上の仮想メモリも利用しています。
これ以上作業量を増やすとメモリスワップが頻繁に生じて動きがさらに悪化しました。
◆メモリスワップとは
ストレージ上(HDDやSSD)に一定のスワップ領域を作り、メモリ容量の限界が近づいたらその領域を利用すること。メモリとストレージの速度差はかなり大きいのでスワップが頻繁に行われると動作は遅くなる。
Chromeのタブ5つでメモリ使用が限界なので、ビデオ会議をしながらほかの作業といったこともなども厳しいです。
しかも、これはアプリをほとんど入れていない状態なので、バックで何か動かすと最悪フリーズしたりします。
この検証でメモリ4GBという最低システム要件での利用は全くおすすめできないことがわかりました。
Windows 11では最低8GBのメモリを搭載したPCの購入を強くおすすめします。
※Windows10の時点で「メモリ4GBは少ない」という記事を作っていましたが、Windows 11では少ないどころか「全然足りない」と言っていいでしょう。
HDDもやめよう
Windows 11ではメモリ4GBは避けるべきですが、HDD(ハードディスクドライブ)をシステム側に使うのも個人的には非推奨です。
ただ、動作自体は起動してしまえば何とか動いてくれはします。ただしメモリは8GBほしいです。
メモリスワップが生じてHDDを頻繁に利用することになると本格的に動きが悪化します。
これは過去のWindowsでも同様だったので、11だからというわけでもありません。
もうSSDの価格は数年前と比べて相当安くなっていて、大容量でなければ(512GB以下なら)数千円で買えます。
起動からその他のあらゆる動作が快適になるので、SATAでもM.2でもとにかくSSDを使いましょう。効率が全然違います。
※最近のM.2 NVMe接続SSDは速度を測るとSATA SSDよりも10倍くらい速い製品もありますが、実用上でそこまで大きな差はでないです。それよりもHDDからSSDへの交換は確実に体感できる違いがあります。
CPU Celeronでも十分な場合はある
デスクトップで最も安くWindows 11を動かすならIntelのCeleronを用いる方法で、特に第8世代Celeronは格安で手に入るため、お試しや検証用にちょうどいいです。
今回は「メモリ4GB」と「HDD」で動作させていたためそれらが足を引っ張っていました。
しかし、その後メモリ8GBとSSDに換装した状態では、Office作業やブラウザ上での動作等で困ることはありませんでした。
Celeron G4930Tは、第8世代デスクトップ用最弱クラスのCPUですが、事務用途であれば全く問題なく動作してくれます。
第8世代以降のCeleronなら出力端子にもよりますが4Kでの映像出力も可能で、4K動画も再生可能です。
ちなみにベンチマークテスト(CINEBENCH R23)ではマルチコア約1200、シングルコア約600くらいで強くはないです。
時々Celeronは最弱CPUで、避けたほうが良いとか言われますが、省電力で用途次第では十分使えます。
もちろん重いゲームや動画編集、エンコード、RAWファイルを扱うなどには向きません。
そういう作業をされるならIntelならCore iシリーズ、AMDならRyzenシリーズを使うべきでしょう。
また、ゲーム用などでグラフィックボードを搭載する場合もCPU性能がボトルネックとなる場合があるため、CPUのスペックアップが必要でしょう。
ノートPCでCeleron搭載モデルの注意点
ノートPCの場合同じ第8世代Celeron N4000を搭載したモデルがあります。CPU性能はデスクトップ版より若干低いくらいです。
ただ、注意点としてこのクラスのモデルでは「メモリ4GB、ストレージeMMC 64GB」というパターンがよくあります。
繰り返しですがWindows 11でメモリ4GBは足りませんし、eMMCはHDDより若干早いかな?位でやはり遅いです。(SDカードくらいの速度)
つまり、Windows 11にアップデートできたとしても日常用途でストレスになるレベルの製品が時々あるので注意してください。
新品のノートPCで「最新世代Celeron+メモリ8GB以上+ストレージSSD」構成であれば事務用途には使える製品でしょう。
より詳しくノートPCの選び方全般を扱った記事もあるので参考にされてください。
最小システム要件はギリギリ
Windows 11の最小システム要件はあくまでも「最低限Windows 11が動く」レベルです。
特にメモリは最低でも8GB以上欲しいですし、HDDではなくSSDを使うべきですね。
Windows10でギリギリ動作していたPCはWindows 11では結構厳しくなってきます。
CPUについては利用用途次第で、第8世代Celeronでも事務作業では支障がでません。デスクトップならCPU交換もできるので後々パワーアップも可能です。
Windows 11自体は今後のアップデートでもさらに重くなる可能性もあるので、利用用途に合わせて少し余裕を持った構成で購入、作成するのが無難ですね。格安でWindows 11搭載デスクトップPCを購入する方法をまとめています。