Windows11エラーコード「0x80280100」の解決方法と考察
Intel第8世代の自作PCを最新Windows11のクリーンインストール後、スリープ解除時のPIN入力で現れたエラーコードが出現しました。
「コード 0x80280100」
PINが弾かれてログインできない。でも再起動すると問題なく通ります。
なぜかスリープからの復帰時にだけ発生するトラブルで謎。
このエラーコードについて日本語の情報がほとんど無いので、とりあえず、海外のフォーラムから情報を得ます。
(順番は前後していたりしますが、解決しそうな方法を簡単な順で並べています。私は最終的にBIOSの初期化で治りました)
エラーコード 0x80280100を解決する
1. PINを削除して作り直す
コンピュータから PIN を削除し、数回再起動してから、新しい PIN を元に戻します。
ざっくり方法を書くと…。
- スタートボタンをクリックし、[設定] を選択。
- [アカウント] > [サインイン オプション] へ
- PIN の欄で「削除」をクリック。この後、エラーが表示されないようであれば、再度 PIN を設定する。
言われた通りやってみるもダメでした。
2. 異なるアカウントで試してみる
別のMicrosoftアカウントを使用して作成するか、オフラインアカウントとして作成。
別アカウントでOKなら、そっちにユーザーファイルを転送する…という方法。
オフラインアカウントでやってみましたがこれもダメ。アカウント関係なく弾かれる様子。
3. Microsoftアカウントのパスワードを変更する
Microsoftアカウントのパスワードを変更して、問題が解決するパターンもあるらしい。
Microsoftアカウントのパスワードの変更は、以下Microsoftの公式から行います。(Microsoftアカウント)
上記Webページに使用しているMicrosoftアカウントでサインイン後「パスワードの変更」で画面の案内に従う。
パスワードの変更が完了したら、新しいパスワードでパソコンにサインインしてPINを再設定。
言われたとおりにパスワードも変更してみたけれど結局はダメ。
4. Windows11のクリーンインストール
最新のWindows11は同じMicrosoftアカウントでログインしているPCからアプリを引き継ぐ事が可能ですが、余計なものは入れずにチェック。
個人的にはWindows Updateが気になるポイントでした。とりあえずは必要なアップデートだけを適用。
これでもやはりまったく同様のエラーが発生。「コード 0x80280100」クリーンインストールでも出るのかい…
5. Windows 10へ戻す
面倒ですが、いったん一度Windows10に戻すことに。
※おそらく戻しても意味はないのですが、一応確認のためにWin10を再インストールしました。
するとやはり、問題が発生したため、PINを使用できません「コード0x8009002d」
コードが少し違う。このコードは古くからあるものらしい。
ここでPINを確認すると、削除の項目はなく「変更」は可能。
- スタートボタンをクリックし、[設定] を選択。
- [アカウント] > [サインイン オプション]
- PIN の欄で変更。新しいPINを設定し直す。
やはり同じエラー(コード0x8009002d)で弾かれる。これはWindows10でも11でも発生するトラブルのようです。
もちろんこのあとWinndows 11にアップグレードしても同様でした。
Windows 10でも11でも出るならソフトウェア的なものではない気配。いよいよ機械的な方面を疑うことに…。
6. BIOSアップデート
使用しているマザーボードは「MSI H310M PRO-VH」です。
BIOSアップデートを行おうとしたものの、どうにも上手くいかずに断念。(最新BIOSは2022年のものがあるようです)
基本的にBIOSはできるだけアップデートしたくないところではあります。(動作がおかしくなりがち)
※実際は型番が「MSI H310M PRO-VH PLUS」だったのでうまく行かなかっただけでした。ちょっとの違いでBIOSも異なるんですね…
7. BIOSを初期設定に戻す
設定をいろいろいじっていたBIOSを初期化してみます。初期化の方法はマザーボードによって変わると思います。
MSIでは、電源投入後か再起動後に「Delete」 キー連打で設定画面が表示されます。
BIOS画面で「F6」キーを押し、UEFI設定値を初期設定値に戻す選択肢を出して実行。
このあと古いBIOSの場合はUEFIへと設定を変えたり、TPMをONにしたりします。
すると、Windows11が立ち上がった際に再度PINの設定が求められます。
私はなぜかこれでOKでした。最新のBIOSではないですが、安定して動く2020年6月バージョンとなっています。
最悪:スリープ解除時にPINを求めない
「アカウント」>「サインインオプション」>「追加の設定」にある「しばらく操作しなかった場合にもう一度Windowsへのサインインを求めるタイミング」
これを「PCのスリープを解除する時間」から「常にオフ」。これでスリープ解除時にPINコードは求められません。
PCを使わないときは必ずシャットダウン。これを厳守。家で使うPCなら最悪この方法もありかと思いました。
まとめ・考察
以上がWindows 11で稀に起こるエラーコード「0x80280100」の解決策でした。
PINコードがどのような仕組みで動作しているのか、正確にはわかりませんがWindows11で必須となるTPMと関係しているようです。
理由としてはTPMがクリアされるとPINコードも再度登録が必要になる点です。
TPMはマザーボード・チップセットに組み込まれるセキュリティに関係する機能で、Windows11ではTPM2.0が必須となります。
今回最終的にマザーボードのBIOSを初期値に戻してから再度セットアップしてようやく解決しました。
最新のマザーボードでは生じにくいトラブルかと思いますが、Windows10から11に移行したPCなどで発生する可能性のある問題なのだと思います。
エラーコード「0x80280100」で困っている方、少しでも参考になりましたら幸いです。
以下、このPCを譲ってくださった、時々記事を寄稿してれるBTO先輩(プロ)からの追記になります。
BTO先輩の所見
読者のみなさま、こんにちは。BTO先輩です。
この記事を拝読して最初に思ったことは…
「すまぬ、管理人さん。余計な手間をかけさせた…」です。
なぜならこのマザーボードの前所有者が自分だから。
なので、今回のトラブルの背景と考察をこの記事のコラムという形で寄稿しまーす。さて、今回のトラブル、なぜ起きたのか?というと…
「CPUを変更したのに、BIOSの初期化を怠ったから」
これにつきるでしょう。実は、Celeron G4930Tが載る前、別のCPUがこのマザーボード上で動作していたのです。なので結果的に管理人さんが採った対策は正解でした。
ポイントは「起動時のCPUチェックとTPMのチェックは別物」という点です。
マザーボードには、起動時にCPUやメモリ、ストレージ、拡張カード等をチェックする機能があります。前回と違う点があればそれを反映させる挙動をします。
CPUに変更があれば、「New CPU installed!」などとメッセージを出してBIOSの設定をチェックするよう促してくることもあります(※メーカーや機種によって異なります)。
ここでTPMの扱いが問題になります。Windows11でだいぶ注目されるようになったこの機能、安価な方法として「CPUに内蔵されたTPM機能を利用する」という手段が主流です。
ところがこのTPM、マザーボード上の専用コネクタに専用パーツとして実装する方法もあります。ですから、必ずしもCPUに依存する機能ではありません。
そのため、CPUが交換されてもTPMの再設定まで配慮しないマザーボードがあっても不思議ではありません。
BIOSの初期化に伴い「交換されたCPU」と「前CPUの情報が微妙に残留したマザーボード」の間でTPM機能が正しく動作できるようになったのが今回の真相でしょう。
繰り返しになりますが、TPMはWindow11が「必須」としたことから認知度が急上昇したセキュリティ機能です。
Windows10までは利用したことのない、もしくは意識したことのないユーザーの方が多いのではないでしょうか。
自分はパソコンに対して「安定動作」を重視するタイプなので、スリープや休止は使わず、使い始めはしっかりブートさせます。なので、管理人さんの記事を読むまで盲点になっていました。
あと余談になりますが、マザーボードの譲渡の際に型番を微妙に伝え間違えており、それも混乱を招いた要因に。再びすまぬ。
誤:MSI H310M PRO-VH
正:MSI H310M PRO-VH PLUS
BIOSが別物扱いなのです、この二つ…。なので更新に失敗するのは当然の結果でした。
このマザーボードは別記事でも登場しています。
以上、前所有者視点からの投稿になります。では~。
…という感じにBTO先輩からの超専門的な解説をいただきまして、こちらとしても感謝です。私もマザーボードの型番をちゃんとチェックしていれば…とも思いましたがとにかく勉強になりました!