FunLogy Mobi.2 モバイルモニター実機レビュー【機能的なデザインと日本ブランドの安心感】
検証や普通にデュアルディスプレイとして使うために買った、14インチのモバイルモニターをレビューします。
「FunLogy Mobi.2」という日本のブランドが売り出しているデザイン性の高いモバイルモニターです。Amazonでの自腹購入なので、宣伝・プロモーションではないです。
FunLogy Mobi.2の詳細
- サイズ:幅320mm×高さ192mm×厚さ9mm
- 重量:650g
- ディスプレイタイプ:ノングレア IPS液晶
- ディスプレイサイズ:14インチ 1920×1080(Full HD)
- 輝度:250cd
- 色域:NTSC 45%(sRGB 62.5%相当)
- 最大表示色:26.2万色
- コントラスト:800:1
- リフレッシュレート:60Hz
- 応答速度:5ms
- その他:75mm VESA穴付き、ブルーライトカット
- USB-Cポート×2、mini HDMIポート、3.5mm AUX
付属品など
付属品は、USB-C to Cケーブル、USB-A to Cケーブル、HDMI to mini HDMIケーブル、15W出力充電器、液晶用クロス、取扱説明書、メッセージカードです。
緩衝材や各機器の収め方も丁寧で、入っていたメッセージカードはおそらく手書きで書かれており、気持ちがこもっていますね。
VGP2023受賞
FunLogy Mobi.2は、VGP(オーディオビジュアルアワード)2023年度PCモニター部門を受賞した製品らしいです。
調べると、確かに2023年度のPCモニター(8万円未満)部門で受賞しています。ちなみに金賞は「LG gram +View 16MR70」という4万円以上するモデル。選ばれているのはこの2製品のみ。
8万円未満のPCモニターというと膨大な量があるはずですが…
VGPにエントリーしている製品自体が少ない?…この賞自体のレベルは謎です(深追いしない方が良いのかも)。
VGPは置いておくとして、正直「FunLogy Mobi.2」が性能的に抜群に優れた部分は無く平凡。この製品は優れたデザインと機能美、安心感のあるブランドイメージが売りです。
FunLogy Mobi.2を実際に接続してみる
ノートPC(ThinkPad X280)での接続
USB-Cケーブル1本での接続が可能で、ディスプレイへの給電も同時に行われます。「Thunderbolt 3」での接続です。
付属のUSB-Cケーブルはしっかりしていて、安定性も十分でした。もしも電力不足となる場合は、USBアダプタからの給電を追加する必要がありそうです。
デスクトップPCとの接続(HDMI‐mini HDMIでの接続)
デスクトップ、USB-C接続ができないノートなどの場合は別で電源を接続するため、2本のケーブルを使うことになります。
HDMIからmini HDMIへのケーブルも付属しているので、PCにもすぐにつなぐことができ、接続は非常にスムーズで素早く認識します。
Funlogy Mobi.2のメリット
使い勝手が非常に良い
付属の内蔵型スタンドは非常に使い勝手がいいです。金属製でじんわりと動き、好きな位置で固定可能です。
スタンドの配置が若干中心からずらしてあるのは縦置きを想定した設計です。このタイプの製品はおそらく唯一のスタイルです。
縦画面表示をしても、視野角の広さや発色が均一であることなどから十分実用性があり、安定性も高いです。
重量は650gと、他の14インチクラスのモバイルディスプレイと比較すると若干重めに感じますが、綺麗なデザインとスタンド内蔵と考えれば軽量。
本体だけで500gを切るような製品もありますが、スタンドを別で用意する(スタンド兼カバーなど)と大体重量は600~800g程度になる場合がほとんど。
厚みも全体が9mmと非常に薄く、剛性感も高いです。ベゼル部分も細いところが約5mm、下部の厚い部分で約12mmと全然気になりません。
画質は必要十分
14インチでフルHD画質(1920×1080)なので、十分に精細です。最近主流のノートPCのサイズと同等でもあります。
色合いについては、色域:NTSC 45%(sRGB 62.5%相当)とそれほど広くないのですが、使っていると必要十分な色表現に感じます。
(EIZOのディスプレイ表示チェックを参考にしてみました。https://www.eizo.co.jp/eizolibrary/other/itmedia04/)
私は映像のプロではないので厳密なキャリブレーションなどを行ったわけではないのですが、至って自然な発色が設定なしで出ているのが良いですね。
試しにiPad Air3(TureTone Off)と輝度50%での色彩表現の差をチェックしてみました。
iPad Air3には「広色域ディスプレイ(P3)」とあり、DCI-P3に準拠している=sRGBカバー率は100%、実際にはそれ以上の色域となります。
色域の差や表面処理の違いもあり、発色の良さはiPadが良いのは間違いないです。
比較するとFunlogy Mobi.2のディスプレイは若干白っぽいのですが、非光沢なので仕方ない部分もあります。
それでも普通の作業用、もしくは趣味で使う用のモニターとしてFunlogy Mobi.2のディスプレイ品質は十分に良いと言えそうです。
仕事用のメインモニターとして使うならもっと色域が広いものを選ぶと良いかなと感じますが、サブモニターや趣味用途なら十分すぎるでしょう。
ドット抜けや色むらなどももちろん無くて、公式サイトに正直にスペックが記載されているのも好印象。(最大表示色:26.2万色などは普通書かない)
カタログスペック的には他の中国ブランドの物のほうが上に見えますが、実際のところは不明なのです。(ディスプレイの品質はスペックだけでわからない部分も多くて難しい)
その点「日本企業として自信をもってこういうパネルを使ってます」と公表するFunlogyの姿勢を評価できると感じます。
その他:
- ノングレア液晶であるので、グレア液晶ほどにキリっとした鮮やかさは出ませんが、疲れにくいディスプレイ
- 輝度最低まで下げてもそこまで暗くはならない点や、最高輝度でも外で利用するには厳しめなところ。とはいえ、室内の照明の下で使う範囲なら必要十分な輝度
- 物理ボタン(レバー)を上に引き上げると輝度をクイック調整、レバーを下に押すと音量調整となる
しっかりしたサポート体制
「FunLogy」というブランドは、日本のブランドでデザイン、機能を重視した製品を手掛けています。
公式サイトがしっかりしており、代表取締役のUesoさんやスタッフの紹介、製品解説なども充実。(https://funlogy.jp/collections/monitor/products/funlogy-mobi)
安心感は十分に高く、格安モバイルディスプレイという混沌としたジャンルで日本ブランドとして頑張っています。
私の意見ですが、正直この部分がFunLogy Mobi.2の最も重要なメリットであって、おすすめしやすいポイントとなります。
メジャーなブランドの製品はかなり高額(3万円以上)で、ノートPCが買えるくらいになったりもします。
そこで、もっと安いモバイルモニターを探していくと大量の中国ブランドが乱立。
もちろん、中国ブランドの製品もよいものは多いですし、結局FunLogy Mobi.2も「Made in China」です。
しかし、製品を扱うブランドとしてFunLogyという日本の企業がサポートしてくれる、という安心感は高いです。
取扱説明書は非常にわかりやすくて、1年間の保証、サポートの電話番号もしっかり載っています。
製品の品質も高い
実は、開封後1回だけスリープ後の復帰が上手くいかないことがありましたが、その後は全く生じません。
また、接続の安定性はもちろんのこと、一度行った設定(明るさの調整など)は電源を落としたとしてもしっかり維持されます。
滑り止めのラバーも細かく丁寧に張られており全体に隙のない作りをしています。デザイン性と優れた機能を持たせつつ完成度の高い製品です。
出力1Wのステレオスピーカー音質も必要十分ですし、75mm角のVESAマウントに対応していたりと欲しいところをしっかり抑えてくれています。
弱点
価格が若干高め
価格は約20,000円とちょっと高いです。調べてみると本体にスタンドが付いているモデルは価格が上がりがち。
ちなみに同一クラスのモバイルディスプレイではAmazonで価格比較をすると3~5,000円くらい高いパターンが多いです。
Amazonでは中国ブランドのモニターに5,000円前後のクーポンがついていたりしてその分の価格差です。
他の中国ブランドと比較して3~5,000円分の付加価値があるかの判断が重要そうです。
カバーが付属していない
付属品にカバーがない点はちょっと残念ではあります。(中国ブランド品はカバー有りが多い)
とはいえ、100均やAmazonでA4サイズのケースを追加すれば持ち運びは問題ないです。
サイズ的に現在主流の14インチノートPCとほぼ同じサイズで、カバー類に困ることはないと感じますね。
背面は指紋が目立つ点もちょっとだけ気になるポイントではありました。
※新型の「FunLogy Mobile Monitor」ではカバー付きとなっています。
まとめ
正直、Funlogy mobi.2の弱点という弱点はほぼ無く、扱いやすくて十分な品質のモバイルモニターと言えます。
自腹で買っているので粗探しに結構時間を使ったのですが、正直に丁寧に作ってある製品なので不満は出てこなかったですね。
唯一は、ライバルとなる数千円安い中国ブランドの製品と比べた時、価格差を埋めるほどのメリットがFunlogy mobi.2にあるか?というポイントですね。
確かに価格的には、ほかの中国製品の方がコスパが高く感じる場合もあります。(私も悩みました)
しかし、全体的な完成度の高さや正直さ、サポートが充実している安心感などを重視するなら数千円余計に出しても後悔はない良い製品だと素直に感じました。
追記
FunLogy Mobi.2は最新型としてカバー付きの「FunLogy Mobile Monitor」にモデルチェンジしています。
本体の基本デザインはあまり変わらず、カバースタンドになったりUSB-Cでのパススルー充電などの機能が加えられています。
本体に内蔵されていたスタンドが無くなってしまったのがちょっと残念ではありますが、持ち運びやすさを優先した改良が施されていますね。