「SOUNDPEATS Air4」完全ワイヤレスイヤホンの実機レビュー
今回は久しぶりの提供品、「SOUNDPEATS」さんの完全ワイヤレスイヤホンのレビューです。2023年7月上旬に発売したばかりの新製品。
とはいえ、基本的に細かな指示は無く、正直にレビューしていいとのことだったので、好きにいろいろ書かせていただきます。
ちなみに私はライター業をしばらくしている中で完全ワイヤレスイヤホンの記事を作成したことがあり、知識的にはそれなりなのですが、実際に普段使うのは有線イヤホンです。
なので、ほとんど初の完全ワイヤレスイヤホンの使用感や、有線イヤホンとの音質、遅延レベルの差などを加え、競合とのちょっとした比較も加えます。
SOUNDPEATS Air4の注目ポイント
- Qualcommの最先端チップ「QCC3071」を採用し「Snapdragon Sound」に対応
- 「aptX adaptive Lossless」に対応、CDレベルの音質を実現
- 「Adaptive ANC」ノイズキャンセリング機能
- Bluetooth 5.3対応
- インナーイヤー型で解放感がある(カナル型ならCapsule3 Pro)
- マルチポイント接続対応
- φ13mmダイナミック型ドライバー
- IPX4準拠の防水性能(イヤホン本体)
- 重量:イヤホン片側:約4g・イヤホン+充電ケース:約48g
- イヤホン本体で6.5時間、充電ケース併用で26時間の連続再生
- EQ/音質カスタマイズ機能搭載の専用アプリ「SOUNDPEATS」
- 購入から1年間のメーカー保証
- 技適取得済(TELEC認証番号:018-210307 公式HP FAQより)
これらが売り文句として商品紹介で語られていますが、実際に使ってみての感想をまずはデザインからチェックしていきます。
デザイン
イヤホン本体
シンプルなマットブラックと、耳に触れる部分はつやのあるブラックで汚れにくい設計にしてあります。
アクセントにもなる淡いブロンズの金属部分は落ち着いていつつもデザイン性が高くて個人的にも好きです。
ケース
ケースはかなりコンパクトで、個人的にはデザインがとてもシックなので好みです。マットブラックにイヤホン本体同様、ブロンズの差し色がオシャレですね。
エレコムの小さ目なワイヤレスマウスと比較しても半分程度しかないコンパクトさ。イヤホンとケースセットでも50gを切るの軽さも魅力。
装着時の快適さ
装着感は好みが大きく分かれますが、カナル型と比べてインナーイヤー型はさらっとした付け心地です。Apple EarPodsよりもちょっとだけ径が小さくて私にはちょうど良かったですね。
カナル型のピッタリする耳栓感が嫌いな方にはインナーイヤー型は良いですよね。ただ激しい運動には向かないかなと思います。
操作感
ブロンズの部分のタッチ操作によっていろいろな機能を使えます。感度は良いのですが、ちょっと触れただけでも反応するので最初は慣れが必要。
機能もタップの回数や長押しの秒数で変わるので覚えるのがちょっと大変かもです。
基本操作は右側1回タップで音量アップ、左側1回タップで音量ダウン、どちらかをダブルタップで再生/一時停止。
搭載される技術解説
音質面でいくつもの新技術を投入しているので、評価可能な部分をできるだけお伝えします。
「SnapDragon Sound」
Bluetooth SoCにQualcommの最新チップ「QCC3071」を採用することで、Qualcomm「SnapDragon Sound」に対応し音質や接続安定性、 低遅延などの基本性能が向上。
「aptX adaptive Lossless」
通信状態に応じてビットレートを自動調整するコーデック「aptX Adaptive」をサポート。最大96kHz/24bitというハイレゾ品質の再生能力も備える。
「aptX Adaptive」の拡張機能「aptX Lossless」は安定した無線環境なら最大44.1kHz/16bit(約1.1~1.2Mbps)のCD音質でロスレス伝送、通信が不安定なら接続性を優先したビットレートに調整。
※送信側には、同じく「SnapDragon Sound」に対応する「Qualcomm Snapdragon 8 Gen1 / 8+ Gen1 / 8 Gen2 以降」を搭載した端末が必要。
- つまり「Androidスマホ」がないとこの機能は使えないわけですね。(私はiPhoneしか手元にないのは内緒)
- これらの機能で音楽や動画、ゲームなどで繊細かつダイナミックなサウンドを体感可能らしいです。(iPhoneにSnapdragonは搭載されていないけど…)
- もちろんiPhoneなどのApple製品で聞いても、他の機能はしっかり作用します。iPhoneとの接続はaptX系ではなく、AACとなります。(対応オーディオコーデック:aptX Adaptive、aptX Lossless、aptX、AAC、SBC)
「φ13mmダイナミック型ドライバー」
大口径振動板が生み出すしっかりとした低域とクリアな中高域、インナーイヤー型の解放感とのバランス。これは製品そのものの質の高さが表れる部分です。
「Adaptive ANC」
インナーイヤー型に最適化した適応型アクティブノイズキャンセリング機能(アダプティブANC)。
イヤホンを装着している状況を検出し、ノイズキャンセルを最適化するとのこと。確かにインナーイヤー型ではノイズキャンセリングが効きにくいので良さそうな機能です。
音声通話用に計6基(片側3基)の高性能マイクと音声通話時の声をクリアにするcVc通話用ノイズキャンセリング機能。
片側3基、左右計6基の高性能マイクを搭載。うち2基は音声通話専用マイク。そして音声通話時に発信者の声をクリアにするcVcノイズキャンセリング。また、イヤホンを片耳モードにも対応。
「マルチポイント接続」
Bluetoothのマルチポイント接続に対応、1台のAir4を2台の親機(トランスミッター/送信側)と同時接続できます。
パソコンとスマートフォンを利用しているとき、両方に接続していれば、突然パソコン側でビデオ会議が始まってもスマートフォン側の音楽再生から即座に切り替えられます。
イヤホンの駆動時間はほどほどですが、充電ケースを用いれば26時間使えるというのは良いスペックです。数日~1週間くらいは電池を気にしなくてもOKな印象です。
SOUNDPEATS Air4を使ってみた感想
使用するのはiPhone 8、そしてKindle Fire HD8(12世代)、デスクトップPC(Web会議)でも聞きます。
YoutubeとAmazon Musicで聞きなれた邦楽とオーケストラなどをじっくり聞いたり、普通にYoutuberの企画・会話などもしばらく聞いてみます。
音質
φ13mmのダイナミック型ドライバーによる余裕のある低音表現と、インナーイヤー型ゆえの解放感もあります。
標準の設定では全体的にかなりフラットなバランスに調整されていると感じます。音の定位感や厚さもいい意味で普通。
人の声の表現もとても自然に表現するので、Web会議などでも扱いやすい性能です。
ノイズキャンセリング
インナーイヤー型の特徴からで解放感が強いため、そもそもノイズキャンセリング機能が効きづらい感じはあります。
そのため、周囲の音がほとんど聞こえなくなるような変化はありません。しかし、確かにノイズが減るのは確実です。
特に音楽を聴いている最中でONにすると全体的な音質も少し変化し、密度感が高まって集中して聴けるようになります。
バッテリー持ち
イヤホンだけで約6.5時間、充電ケース併用では約26時間と公称されています。
確かにイヤホンだけでも最低5時間は余裕で駆動しています。そして充電ケースにいれれば1時間半でフル充電が可能。
このバッテリー持ちは結構優秀で、小さなケースの割に容量は多いので、持ち運んでも時々ケースに入れておけばバッテリー切れを気にすることは少ないです。
専用アプリについて
専用アプリの「SOUNDPEATS」は評価が低め(最初にメールアドレスで認証が必要)ではありますが、ファームウェアのアップデートにも利用されます。
実際に登録してアプリを起動すると、SOUNDPEATS Air4の最新ファームウェアアップデートが来ていました。
また、アクティブイコライザー(EQ)機能によってかなり詳細にセッティングを行うことができます。
マニュアルでの操作によって20~7k(Hz)までのイコライザーをカスタマイズできます。
その他の機能
2台までのデバイスと常時ペアリングしておける、マルチポイント接続はとても便利です。
PCとスマホ両方に接続しておいて、再生した側にすぐに切り替わってとても優秀。
一度ペアリングすると自動的に接続されていくので繋がなくなった端末は「ペアリングの削除」を行っておくと無難です。
コスパ
価格的に6,000~8,000円クラスだとAnker製品がライバルになるけれど、トータルのコストパフォーマンスはSOUNDPEATS Air4はかなり高いと言えそうです。
特にAndroidスマホ(Snapdragon Sound対応)であれば一層の高音質を体感できるためメリットは大きいです。
Apple EarPodsと比較
有線イヤホンでメジャーなApple EarPodsとも比較してみます。(EarPodsはiPhone 11まで付属していた有線イヤホンです)
EarPodsとの比較結果は特に音質面。
- どちらも低音の量を正確に再生できる。空間の広さや定位は正確
- SOUNDPEATS Air4の方が高音域が強くて、音のバランス、音の分離や解像度が高い
低音域の広がりは使用されているドライバーサイズの差なども影響し、SOUNDPEATS Air4が確実に余裕をもって表現します。
音の細かさ、解像度についても(しっかり聞き分ければですが)SOUNDPEATS Air4が優秀です。
私の環境(AAC、SBCでの接続)であっても有線のEarPodsよりも完全ワイヤレスイヤホンのSOUNDPEATS Air4の方がバランスよく音を出すのはさすがです。
ちょっと微妙なポイント
充電関係
充電用のUSB-Cケーブルは入っていますが、充電器は付属していません。また、ワイヤレス充電にも非対応です。
再生可能時間はイヤホンのみで約6.5時間、ケースがあれば最長26時間の再生が可能ではあるのでバッテリー面で不安にはなりにくいではあります。
操作に慣れるのが少し手間
- 電源オン→自動: 充電ケースを開ける・手動: イヤホンのタッチパネルを1.5秒長押し
- 電源オフ→自動: イヤホンを充電ケースに戻し充電ケースを閉じる・手動: イヤホンのタッチパネルを10秒長押し
- 再生一時停止→手動: イヤホンのタッチパネルを素早く2回タッチ
- 音量を下げる→左側のイヤホンのタッチパネルを1回タップ
- 音量を上げる→右側のイヤホンのタッチパネルを1回タップ
- 曲送り→右側のイヤホンのタッチパネルを1.5秒長押し
- ノイズキャンセリング/ノーマルモードの切替→左側のイヤホンのタッチパネルを1.5秒長押し
- 電話を受ける/切る→左右どちらかのイヤホンのタッチパネルをダブルタップ
- 着信拒否→着信中、左右どちらかのイヤホンのタッチパネルを1.5秒長押し
- 通話切替→通話中、左右どちらかのイヤホンのタッチパネルを2秒長押し
- 手動ペアリング→充電ケースのボタンを3秒長押し
- 端末の音声認識アシスタント(Siri/Google) 起動→右側のイヤホンのタッチパネルを3回タップ
- ゲームモードの有効化/無効化→左側のイヤホンのタッチパネルを3回タップ
以上の操作方法をすべて覚えるのは結構大変です。
電源OFFについては、左右どちらかを充電ケースに入れればそちら側だけがOFF設定となります。(右でも左でも同様)
イヤホン側で10秒長押しでの電源OFFについて右側をOFFすると両方ともOFFになるようです。この方法で左側だけを消すことは可能です。
片側利用している状態で、音量調整を下げる(左側1回タップ)か上げる(右側1回タップ)がどちらかしかできなくなるのはちょっと使いにくいです。
ノイズキャンセリングは気持ち程度
インナーイヤー型なので、カナル型の機種に比べるとどうしても周囲の音は入りやすいです。
イメージ的には2~3割くらいの騒音がカットされて、音楽再生時には比較的体感しやすいように調整されていると思われます。
まとめ
SOUNDPEATS Air4はしっかりした基本性能に加えて、ノイズキャンセリングやマルチペアリングなどの機能もしっかり搭載。
価格から考えても十分すぎるスペックと、高いデザイン性を備えた新製品で満足度は高いです。
私も毎日利用していますがマルチペアリングは便利で、装着時のストレスはなくてとても扱いやすいです。
製品提供してくださったSOUNDPEATSさんからAmazonで使えるクーポンコードを貰っているので使ってください。(利用期限あり)
Amazonリンク
SOUNDPEATS Air4 ワイヤレスイヤホン Snapdragon Sound対応
クーポンコード:AIR4PRM03(開始日 2023/07/24~:すでに利用終了している可能性が高いコードですが試しに入力されてみてください)