SOUNDPEATS Air5ワイヤレスイヤホン実機レビュー【前作Air4との比較】
今回はSOUNDPEATSさんからの提供で、新作の完全ワイヤレスイヤホン「SOUNDPEATS Air5」の徹底的なレビューを行います。
前作「Air4」も1年ほど前にレビューさせていただいたのですが、いろいろとグレードアップしていて扱いやすくなっています。
Air4もここ1年ずっと使っているイヤホンで、それの正当進化版と言えるような内容ですね。
SOUNDPEATS Air5のスペック詳細
- イヤホン形式:ワイヤレス インナーイヤー型
- ドライバー方式:13mmダイナミック ドライバー
- 再生周波数帯域:20Hz~20KHz
- 対応コーデック:SBC、AAC、aptX Lossless、aptx adaptive、aptx
- Bluetoothバージョン:Bluetooth 5.4(QCC3091)
- 最大持続時間:単体 6時間・本体30時間(※SBC 60%音量 通常モード)
- 重量:単体 3.8g・本体 44.5g
- サイズ:単体 34.6×17.2×17.9 mm・本体 56×51×26 mm
- 充電時間:単体 1.5時間・本体 2時間
- 充電コネクタ:USB-C
- 内蔵マイク:片側3基(合計6基)
- 防水性能::IPX5
- 機能:ハイレゾ認証済み・Qualcomm S3 Gen 3 Sound Platform・Snapdragon Sound・Adaptive ANC・通話用(CVC)ノイズキャンセリング・風ノイズ低減・マルチポイント・ゲームモード(77ms低遅延)
- 専用アプリ:Google Play「PeatsAudio」・App Store「PeatsAudio」
- 販売価格:9,680円前後
- 発売日:2024年8月23日
付属品
デザイン
ケースデザインはコンパクトサイズで、表面は艶ありの塗装がされていて汚れにくいです。充電はUSB-C端子部分も綺麗な処理がされています。
ケースは結構大きく開き、イヤホンが取り出しやすいデザインに変更されました。(Air4はちょっと出しにくかった)
イヤホン側のデザインはシンプルでスタンダードなインナーイヤー型となっています。
今回提供いただいた色はホワイトですが、他のブラックやパープルのカラーでも同様に高級感のある仕上げがなされています。
使ってみた感想
装着感
イヤホン自体が軽量(約3.8g)なことと形状も良い具合に耳に合うため、軽い装着感が特徴です。
インナーイヤー型であるため、Appleの「EarPods」などが違和感なく使えるなら問題ないと思います。
音質面
Qualcomm S3 Gen 3 Sound Platformと13mm径ダイナミックドライバーによる精細な音質
前作Air4も十分にいい音がしていましたが、SOUNDPEATS Air5では一層明瞭な音質になったと感じます。
低域のボリューム感とともに高音域の繊細な音の表現もできていて、全体的に癖が無く、クリアで自然な音にチューニングされています。
デザインの細かな変更や、複合振動版を使った13mmダイナミックドライバーも音質改善につながっているようです。
また、Air4の「QCC3071」からAir5の「QCC3091」にチップが変わり、Qualcomm S3プラットフォームに対応し、性能向上を果たしています。
Qualcomm S3オーディオプラットフォーム・Snapdragon Soundを利用するには対応するSnapdragonシリーズのSoCを搭載した機器が必要です。
aptX lossless / aptX Adaptive対応・ハイレゾ認証済み
aptX LosslessによってCD品質(44.1kHz/16bit)の音源を忠実に再現でき、aptX Adaptiveでは最大96kHz/24bitという高データレートでの伝送が可能です。
加えて、Air5では「ハイレゾ認証済み」となっています。(Air4は認証されていなかった)
最新規格Bluetooth5.4への対応
Bluetooth規格も最新の5.4となり、通信の安定性が向上しています。一度接続した端末への再接続はかなり早くてストレスがないです。
機能面
AI適応型アクティブノイズキャンセリング(ANC)が強力
ノイズキャンセルの強度を自動的に調整する「AI適応型アクティブノイズキャンセリング」を搭載して周囲の状況に合わせることができます。
ノイズキャンセリングは明らかに前作を上回っており、インナーイヤー型なのにしっかり雑音を消してくれます。
基本性能の高さと相まって、ノイズキャンセリングONの状態で音楽を聴くと強い没入感を得られます。
AI通話ノイズキャンセリング(cVc)・AI風ノイズ低減機能も搭載
通話用のマイクにもAIによるノイズキャンセリング機能が搭載されています。外出先での風音に対してもAIによるノイズ低減が働くようです。
マルチポイント機能も便利
2端末までをペアリングしておくことができ、再生を開始した側を自動的に認識してくれます。これもあると便利な機能です。
ペアリングは初回起動時はケースのふたを開けるとすぐにペアリングモードに入るので端末側で追加すればOKです。
追加でペアリングする場合には、ケースに両イヤホンが入った状態でふたを開け、USB-C端子の隣のボタンを長押しします。
注意点として2端末での同時再生はできないので、どちらかをしっかり再生停止してからじゃないと上手く切り替わらないです。
低遅延ゲームモード
ゲームモードでは、約77ms(0.077秒)の低遅延になります。(前作Air4では88msだった)
※一般的にBluetoothコーデックにより遅延が異なり、SBCで約200ms、AACで約120msくらいです。
最大30時間の再生時間(ケース利用)
イヤホンだけで連続6時間、ケースを使うことで最大30時間の再生が可能です。また、ケースもイヤホン側も2時間程度でフル充電できます。
専用アプリ「PeatsAudio」
■Google Play(https://play.google.com/store/apps/details?id=com.xingkeqi.peats&hl=ja)
■App Store(https://apps.apple.com/jp/app/peatsaudio/id6456750690)
PeatsAudioは、最初にメールアドレスでの登録が必要なのだけが少々面倒ではありますが、機能はかなり充実しています。
ボタンカスタマイズが便利
過去作Air4では当初専用ソフトを使ってもファームウェアアップデートとイコライザーの調整程度しかできませんでした。
それが今作Air5では操作のカスタマイズなども可能になりました。(現在ではAir4もファームウェアアップデートでカスタマイズ可能)
例えば、初期状態では左側イヤホンを1タップで音量減、右側イヤホンを1タップで音量増ですが、これらを変更してどちらでも1タップで音量減、2タップで音量増なども可能です。
個人的にはこのカスタマイズ可能になった部分はかなり大きいアップデートだと感じましたね。明らかに使いやすくなりました。
イコライザーも使いやすい
以前からあるイコライザー機能も、複数のプリセットに加えて自分でフルカスタマイズできて保存しておけるのも良いです。
保存した内容はイヤホンに記録されるようで、ほかの環境で使ってもそのまま引き継がれます。
気になった点
他のイヤホンと比較しての話にはなりますが、初期状態では全体的な音量が大きく感じました。
個体差かと思いましたが、実際にSOUNDPEATSさんに確認したところ、前作Air4よりも約4dB音量を上げているとのことです。
特に静かな環境下で使った時に最小音量が大きく聞こえるのが気になりました。(接続する端末によっても変化します)
解決策としては専用アプリ「PeatsAudio」を使って、イコライザーで全体の音圧を下げることが有効でした。
アプリを使えば最大で‐6dBまで音圧を下げることができるので、最小音量が大きいと感じたら試してみてください。
過去製品「SOUNDPEATS Air4」と比較
左がAir5・右がAir4 |
一つ前の製品であるSOUNDPEATS Air4と細かく違いを見ていきます。スペックの違いがある部分をまとめてみました。
Air5 | Air4 | |
---|---|---|
Bluetoothチップ | QCC3091 | QCC3071 |
Bluetoothバージョン | v5.4 | v5.3 |
ハイレゾ認証 | 認証済み | なし |
最大再生時間 イヤホン | 6時間 | 6.5時間 |
最大再生時間 ケース | 30時間 | 26時間 |
重量 イヤホン | 約3.8g | 約4.0g |
重量 ケース | 約45g | 約39g |
ゲームモード | 77ms 低遅延 | 88ms 低遅延 |
防水性能 | IPX5 | IPX4 |
この他基本的性能はあまり変化はありません。あとはケースサイズが若干違う程度です。
音質はAir5で確実にアップしている
イヤホン形状やドライバーサイズに大きな違いはないですが、音質を比べるとAir5の方がかなり明瞭でクリアになっていると感じます。
細かな設計変更や、Qualcomm S3 Gen 3 Sound Platformへの対応なども確実に音質等に良い影響を与えているように感じました。
さらに、QualcommのQCC3071からQCC3091チップへの変更によってBluetoothもv5.3からv5.4へのバージョンアップも行われています。
製品の質感や形状が若干異なる
ケースの表面処理がAir4は艶消しで、Air5は艶々塗装となっています。好みもあると思いますが、汚れが付きにくくて高級感もあるAir5が個人的には好きです。
同じインナーイヤータイプですが、Air5の方がほんの少し小さ目なデザインとなっています。
付けた感じはそこまで変化はないですが、Air4よりもAir5の方が付け心地は少し軽い印象ですね。
個人的には軽やかな付け心地になったのですが、耳が大きい人の場合にはフィット感が足りないと感じる可能性もあります。
IPX4からIPX5へと防水性能がアップ
IPX4は「あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない」
IPX5は「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」
となっていて、Air4では軽く水が掛かった程度、雨の中で傘をさしていれば大丈夫くらいの防水性能でした。
Air5では大雨の中で傘無しで使っても問題ないレベルで、IPX5からは一応完全防水扱いともなるようです。
連続再生の増加
イヤホン本体の再生時間はあまり変化がないですが、ケースでの充電時間は26時間⇒30時間にアップしています。
実際の感覚的には、イヤホン単体で1日中使用していても十分持つイメージです。ケースで充電すれば1時間半でフル充電になるので使い勝手はとてもいいですね。
ノイズキャンセリング機能も向上
前作Air4のノイズキャンセリングは周囲の音が2~3割くらいカットされるかな?程度のものでしたが、Air5では明らかに外部ノイズが減るのが分かります。
ノイズカットのしづらいインナーイヤー型にも関わらずここまでしっかりノイズキャンセリングが働くのは驚きました。
このようにSOUNDPEATS Air4とAir5を比較すると、防水性能、ケース併用での連続再生時間など全体的な進化が見られます。
SOUNDPEATS Air4の詳細レビューも過去に行っています。
まとめ
全体的な完成度とコスパの高さが光る
SOUNDPEATS Air5はトータルの完成度が十分に高く、ノイズキャンセリングなどの機能も向上しており順当なスペックアップがなされた製品です。
価格は過去作Air4とほぼ変わらないようなので、よほどAir4が安くなっているなどの事情がない限り、新型のAir5を購入するのをおすすめします。
全体的に隙が無く、アプリによるカスタマイズもかなり自由度が高いので扱いやすくてコスパも高い最新の完全ワイヤレスイヤホンです。