UGREEN 8K 60Hz対応 HDMI KVMスイッチ 2in 1out 実機レビュー
KVMスイッチとは
KVMスイッチ(KVM switch)は、1組のキーボード、マウス、ディスプレイで複数のコンピュータを切り替えて操作できるデバイスのことです。
KVMスイッチのメリットとしては,省スペース化や切り替えが素早くなり作業効率が上がる,ケーブル類がまとまる(かも?)ことなどです。
■KVMスイッチを利用すると便利な場面
- 普段自宅では自身のデスクトップ環境だけど,仕事用のPCを同じ環境に繋いで大きな画面などで作業したい場合
- PCとゲーム機を1枚のディスプレイで使いたい場合
- WindowsとMacを両方動かさないといけない環境などで,いつもの作業スペースで同じデバイスを使って作業したい場合(あんまり無いかも)
- メインの端末とは別に、検証用のPCを色々変更する機会が多くて接続切り替えが面倒な場合(私のパターンで若干異常な使い方)
ということで、KVMスイッチは正直なところ一般的なご家庭で使う機会はあまりないであろうニッチな製品です。それでも刺さる人には刺さる魅力もあります。
基本スペック及び端子類
サイズ・重量
- 商品寸法 (長さx幅x高さ):100 x 50 x 15 (mm)
- 本体重量:約150g
- カラー:グレー(表面は金属素材)
- 対応OS:Windows・Mac・Linux・※iPadOS(商品説明には無いが動く)
本体背面の端子類
■ 映像およびデータ入力端子(2端末分)
HDMI×2(8K 60Hz / 4K 240Hzまで対応※)
USB-C×2(USB3.0 最大5Gbps)
■ ディスプレイ用の出力端子
HDMI(最大8K 60Hz※)
■ 本体給電用端子
USB-C(最大5V 3A・充電器&ケーブル別売)
※私の環境では8K 60Hzは検証不能でした。
本体前面の端子類
■ 2端末で共有する機器用の入力端子
USB-A×3・USB-C(すべてUSB3.0 最大5Gbps)
■ スイッチ延長用端子
Mini USB
付属品
- HDMI ケーブル 1m×2(恐らく8K 60Hz対応)
- USB-C ケーブル 1.5m×2(USB3.0対応)
- 切り替えスイッチ延長コントローラー
その他機能
■ HDCP Version 2.3
HDCP 2.3は、HDMIやDisplayPortなどのインターフェースで利用されるコンテンツ保護技術HDCPのバージョン。4KコンテンツなどではHDCP 2.2以上が要求されるようです。
接続方法
かなりの量のケーブル類を接続することになるので、どこにどの端末や機器を刺すのかをしっかりイメージしておくか、図に書いておいても良いかもです。
裏面の配線
入力用のHDMI×2端子に切り替えたい2つの端末からHDMIを引っ張ってきて差し込みます。
付属のHDMIケーブルは布地で表面が保護されていてかなり太くて硬いです。(8K対応のケーブルだからかも)
そのため、フルHDやWQHD、4Kでも恐らく問題なく他のケーブルも使えるので、取り回しが厳しければもっと細いHDMIケーブルに交換しても良いかもしれません。
続けて、2端末のUSB3.0端子と本機のUSB-C端子を繋げます。1と2で分かれているので間違えないよう注意しつつ。
付属のUSB3.0ケーブルについては長さ1.5mあり、適度な硬さなので使いやすいかなと感じました。こちらは普通のビニール仕上げです。
裏面1番左のUSB-Cポートは本体への給電用で、例えば外付けSSD・HDDなどの電力を結構使うデバイスを繋げたい場合などに、別売のUSB充電器とケーブルを繋げておきます。(5V3A以内の一般的なもの)
ただ、そこまで電力を使わないキーボードやマウスなどなら、PCと接続しているUSBケーブルからの電力で十分まかなえます。
前面の配線
裏面のHDMI・USBケーブルの配線が終わってしまえば、あとは前面に2端末共通で使いたいデバイスをUSB-AかUSB-Cにて接続すればほぼ完了です。
加えて、本体を遠くに設置した場合には、一番左のmini-USB端子に切り替え用の延長スイッチを取り付けます。
手元に置けるシンプルなスイッチで、ケーブル長も1.5mと十分に長いので、自由な取り回しができますね。
実際の使用感
UGREEN HDMI KVMスイッチは比較的安価な製品ですが安定感はバッチリです。特に映像関係で乱れや遅延は全く生じません。
それに、接続した機器に関しても普通のUSBハブに取り付けているのと変わりなく、とても安定しています。
MacBookとThinkPadでは全く問題なく切り替えた瞬間にキーボードもマウスも動作しました。
※MacBookなどの端末には同じくUGREEN製のUSB-Cハブを中継してHDMIとUSB端子に接続しています。USB-CハブにはUSB-PDでノートPCに給電しながらでも問題なく動作します。
他にiPadでも接続してみました。iPadだけは相性なのだと思いますが、USB-Cハブの種類や接続する向き(USB-Cの裏表)によって認識されないパターンがありました。
USB-C端子(ハブ関係)については、未だによくわからない挙動を見せることがあり、その都度付け替えたりして様子を見ています。
今のところWindowsデスクトップ、Windowsノート、MacBookでの動作を確認しマイクやWebカメラ、スピーカーの動作も問題ありませんでした。
iPad Pro(M1)ではスピーカーは出力先を選択することで鳴らせましたが、マイクやWebカメラについては専用アプリ等が必要と思われます。(検証中)
切り替え時のラグ
私の環境(HDMIもUSBケーブルも付属品)では、3秒前後でどの端末とも切り替わります。延長スイッチは使わずに直接本体のボタンで切り替えています。延長スイッチでも動作は同じですね。
キーボードもマウスもUSBレシーバーでの無線接続ですが、どちらかが繋がらなかったり遅延がでることもないですね。しっかりした作りであるのが伝わります。
少し気になった点
Windowsのデスクトップの場合、他のPCからの切り替え時にデスクトップ側がスリープ状態だと、切り替えてもキーボードもマウスも動かなくなりました。
電源ボタン(スリープON・OFFを割り当てている)を押してスリープを解除することで接続している機器も認識されました。
※これは私のPCのBIOS設定や、相性などもあると思います。とはいえ、電源ボタン等でスリープ解除してしまえばすんなり認識するので気にはなりません。
この機器の動作として、1と2を切り替えると片側は完全に接続が切れる仕様なためなのも原因と思われます。
それで、スピーカーの設定も切り替えた際にHDMIが優先されたため、設定でHDMIの音声出力をOFFにしました。このような問題はWindowsやMacなら設定変更で大体解決できると思います。
給電用USB-Cポートについて
本製品の裏面一番左にあるUSB-Cポートは、USBハブのセルフパワー用の給電ポートとなっています。
USB-Cハブでよくあるような、USB-PDにてノートPC側に電力を送る機能はありません。
USB-Cケーブルのみで映像と充電を行うことはできず、本機のHDMIは映像、USBポートはデータ通信だけを行います。
もしもノートPCでUSB-Cにて充電を行いながら本製品を使いたい場合は、別途USB-Cハブを用いてHDMIとUSBに変換しつつ
よくある質問(説明書の内容抜粋)
ディスプレイ機器に画像が表示されない場合
- 製品が正しく接続され、ケーブルの長さと仕様が製品の要件を満たしていることを確認してください。
- 正しい入力信号ソースを選択し(一部のモニターは手動で選択する必要があります)色空間と色深度を調整してください。
- 解像度とリフレッシュレートを1080p 60Hzに下げてみてください。
- ディスプレイがHDCPに対応しているか確認してください。ディスプレイがHDCPをサポートしておらず、PC側がサポートしている場合、PCのHDCPを無効にしてみてください。
- ケーブルを再接続してみます。製品に電源ポートがある場合は電源アダプタを使用して製品に電源を供給してみてください。
ディスプレイの使用中に、画面が黒くなる、画面がちらつく、画面がぼやける、色かぶりが発生する、音が出ない、その他の問題が発生する
- PC側の解像度とリフレッシュ・レートを1080p 60Hzに下げてみてください。
- ケーブル、信号源デバイス、ディスプレイデバイスの仕様を確認します。
- ディスプレイがHDR機能に対応していない場合、色収差が発生することがあります。この場合HDR機能を無効にする必要があります。
- ケーブルを再接続してみます。製品に電源ポートがある場合、電源アダプターを使用して製品に電源を供給してみてください。
- 音が出ない場合は、正しい音声出力デバイスを選択していることを確認し、信号ソースに音声があるかどうかをチェックします。
信号を切り替えたとき、ディスプレイ装置の表示速度が遅い
- 信号が切り替わった後、ディスプレイ装置が画像を表示するまで、通常3~5秒かかります。機器の種類や画面の解像度、使用環境などによって実際の時間は多少異なります。出力解像度も表示速度に影響があります。
- Apple TVの場合、ディスプレイが画像を表示するまでに11~13秒(もしくはそれ以上)かかる場合があります。
- PCなどの信号源デバイスをディスプレイに直接接続して、デバイス関連の問題かどうかを確認します。
ディスプレイデバイスが8K 60Hzで画像を表示できない
- ケーブルの長さと仕様が製品要件を満たしているかどうかを確認します。
- 信号源デバイス、ディスプレイ、HDMIケーブルが8K 60Hzに対応していることを確認してください。
- 一部の8Kディスプレイ機器は、8K 60Hzで画像を表示するために、HDMI 2.1またはエンハンスドフォーマットを有効にする必要があります。
HDMIポートは正常に動作するのに、USBポートが動作しない
- USB-CケーブルとHDMIケーブルの両方が正しく接続されていることを確認します。
- 接続している製品が高出力で、電源ポートがある場合は電源に接続されているか確認します。
- ワイヤレスキーボードやワイヤレスマウスがUSBポートに接続されている場合、動作範囲が要件を満たしていることを確認します。(1台のUSBデバイスの場合は1m以内、複数のUSBデバイスの場合は0.3m以内)
USB ポートは正常に動作するのに、HDMIポートに画像が表示されない場合
- HDMIケーブルまたはディスプレイを交換して確認します。
- ビデオアダプタが接続されている場合は、アダプタを取り外して外部機器を直接接続してみてください。
サポートが必要な場合
※Amazonでの記載では24ヶ月の保証期間があり、UGREENさんは結構サポートが手厚い印象です。
まとめ
まとめると、UGREEN 8K 60Hz HDMI KVMスイッチ 2 in 1は、デザインも性能も十分で、切り替えもスムーズかつ安定した動作をする完成度の高い製品です。
ただ、利用用途がはっきりしていないと、ほとんど使わなくなる可能性もあるため、用途を明確にして役に立つかを吟味しつつ購入を検討されると安全です。
特に家と仕事用PCの切り替えや、PCとゲーム機の切り替えなどの場面で活躍する製品です。